現代人の法話 
〜 毎日が大安吉日 〜

「結婚式は大安が良い」「葬儀は友引を避ける」等々、暦に依って日程を決める事は昔から行われてきた。ではこの大安や友引とは一体何なのであろうか?

これは六曜といって古代中国から伝わった暦注、すなわちお日柄を表したものである。古来、様々な暦注があったが、六曜は今もなお残っている代表的なものである。その決め方は極めて単純で、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つが順番に来るだけ、ただ注意するのは旧暦の一日で順序がリセットされるので、今の新暦のカレンダーでは時々その順番が突然変わり不思議に見える。しかし基本的に曜日に似たようなものであり、このように単純なものに人生の吉凶は左右されない事は明白である。

困ったのはこれを仏教に由来するものと勘違いされる事である。本来のお釈迦様の教えとはこれら俗説の類に惑わされず、己の成すべきことに誠心誠意、精進努力する事が基本である。

と言ってもまだまだ気にする方が多いのが現状である。また日程選定に便利な面もあり、変に振り回されず、いわれを理解したうえで上手に活用すれば良い。

新しい年のはじめにあたり、種々の暦注に気を奪われず、日々毎日が「大安吉日」と思い、仏の教え、お念仏のもと、自分の役割に精一杯精進努力していきたい。

(本文作成にあたり、宇都宮・ 清泉寺様に深謝致します。)




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