現代人の法話 
〜 ブッダの言葉〜新しい世界観を 〜

今回の寺報と同封したB5サイズの冊子は、先頃、仏教伝道協会が設立50周年を記念して東京国際フォーラムで開催した写真展「ブッダのことばとインドの風景〜今を生き抜くために〜」で配布されたものである。前回の寺報でご紹介した事もあり私も拝観させていただいたが、内容は冊子と同じで、サイズのみ大きくなった沢山の写真パネルの下にブッダ=お釈迦様の言葉とその解説が展示され、何度もその前でじっと立ち止まり、写真の美しさとその言葉の力に魅了され大変満足して帰路についた。

その数日後、本山の会合で初対面の仏教伝道協会の方と名刺交換、その際にふと先日の写真展の話をすると、まだ冊子に余裕がある事を教えていただき、早速お譲りいただけるかを恐るおそるお聞きすると「弘道先生には大変お世話になりましたから」とご快諾をいただけた。先代弘道住職は仏教伝道協会の主事業の一つである全国のホテル等に備わるオレンジ色の仏教聖典刊行をはじめ、大変縁深く、話がスムーズにいったのはそのおかげであった。

皆さんにも不思議な幸運に恵まれ物事が上手くいった経験が多々あろうかと思う。しかしよくよく考えてみるとその幸運は偶然でなく沢山の不思議なご縁に支えられている事に気付かされる事が多い。自分の力で達成した仕事と思っていても、よくよく考えれば多くの人達の支援や協力がなければ出来なかった事の方が圧倒的に多い。

昭和の著名な文芸評論家、亀井勝一郎氏は「人間が宗教的になると今まで見えないものが見えてくる。今まで感じないものを感ずるようになり、今まで当たり前であると思っていたことが驚きになる」と述べられたが、幸運や成し遂げた仕事が、多くの見えないご縁や他人様の力、すなわち“おかげ様”に気付いた人は、感謝の心を深め、小さな出来事にも喜びを感じる人となる。モノの見方を変えると見えてくる新しい世界がある。

ぜひ皆様にも冊子のブッダの言葉や仏教の教えに触れ、新しい気付きや世界観を得ていただきたい。




Back