現代人の法話 
〜 「豊かな幸せのために」 〜

世界でもっとも貧しい国の大統領が脚光を浴びたのは2012年、国連「持続可能な開発会議」で演説した南米ウルグアイのホセ・ヒカム大統領であった。その演説の中で「私達は発展するために生まれてきたのではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。<中略> 貧しく不幸な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人です。」と述べたように現在のハイパー消費社会の悪循環〜消費をひたすら早く多くし、経済を発展成長し続けなければ不況とされてしまう無限の使い捨て社会〜に警鐘を鳴らし、一刻も早く地球の資源を使い果たしてしまう前にこの際限ない過剰消費を見直し、持続可能な生活スタイル、開発方法に変換しなければならない事を世界に訴えたのである。

 

仏教を開かれたお釈迦様は「たとえ貨幣の雨を降らすとも欲望の満足されることはない」と人の欲望に限りがないことを鋭く指摘され、「少欲知足」すなわち欲望を小さくして満足を知ることが幸せへの近道であることを2500年も前に教え示された。

 

今こそ私たち一人一人がお釈迦様、そしてホセ大統領の言葉に真剣に向き合い、いたずらに経済的発展を追い求めるだけでなく、無限の欲が不幸の原因の一つであることを正しく理解し、その価値観、生活スタイルを再考、地球規模で持続可能な社会の実現を目指し、「少欲知足」の精神で、ゆとりある豊かな心の幸せを達成していきたい。




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