現代人の法話 
〜 「お盆のこころ〜尊い心を受け継ぐ」 〜

いよいよお盆の季節となりました。お盆はご先祖様や大切な方の御霊(みたま)がこの世に里帰りする期間とされます。

「父母(ちちはは)の背を流せしごとく墓洗う」と詠われるように、暑い最中(さなか)ではありますが大切な方の背中を流すような孝養(こうよう)の気持ちでお墓掃除やお仏壇をきれいに清掃し、「今日あるは先祖のおかげ盆供養」という気持ちをもって、ねんごろに香華(こうげ)、茶菓をお供えしてお参りをする。この期間はあたかも自宅に故人方がいますがごとく精霊棚にご供養をさせていただく日本の古き良き伝統行事であります。

この伝統は決して科学的ではありませんが、私たちに命の大切さ〜大勢のご先祖様方がつなぎ育(はぐく)んでくださった命である事、そして尊い心〜感謝の心を目に見える行いで示し、他人を思いやる豊かなやさしい心を思い出させてくれる素晴らしい機会であり、特に子供たちの心の生育に良い効果があると感じる。こうした伝統行事には家風(かふう)という言葉があるように、それぞれの家の持つ様々なやり方があり、その心も受け継がれているものもあります。

このお盆供養の季節、ぜひご家族皆さまでお参りをいただき、この良き伝統、尊い心を次の世代に伝え受け継ぐ大切な機会にしていただきたいと願います。




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