現代人の法話 
〜 「お盆〜命のバトンを感じて」 〜

厳しい暑さと共に、今年もお盆供養の季節がまいりました。お盆は私たちのご先祖様や大切な方の御霊がこの世に里帰りされ、共に過ごす期間とされる日本の良き伝統的な行事です。

私たちには、必ず両親がおります。そしてその両親にもそれぞれ両親(自分から見れば祖父母)がおり、その4人の祖父母にもそれぞれ両親が…と考えていくと10代遡ると2046人、20代遡っただけでも200万人以上ものご先祖さまがいる事が分かる。そしてもしそのうちの一人でも欠けていたら、今の私は生まれず存在すらしない事になる。さらに考えを拡げて人類創生の時代から考えれば私たち一人一人の存在は、数え切れないほど多くの、無数の命がバトンタッチのようにつながり誕生してきた事が分かってきます。

お盆とは、お仏壇やお墓をきれいに掃除し、お盆の精霊棚を祀りお参りする事によって、自分の命をつなぎ育んで下さった大勢のご先祖様方の存在〜命のバトン〜をあらためて感じ、感謝する人として大事な機会でもあります。

さらに申せば、つながって来たのは命だけではない。私たちはご縁という大きな関係性の中で生きており、たとえ子孫を残さなくても家族の中での役割や善き行い、家を思う真心は、その家の伝統の一部となって受け継がれていくものである。それこそ他の生物と違う、人の人たる所以でもあります。

お盆の季節、過去そして未来の命と伝統とを見つめ、その大切なバトンを感じながらご先祖様方のご供養を志していただきたい。



Back