現代人の法話 
〜 「人様の評判が気になる方へ」 〜

私たちの悩みの多くは人間関係、特に人様の評判が気になる方は多いと思います。そんな方へ仏教を開かれたお釈迦様はこんな言葉を遺されておられます。「沈黙している者も非難され、多く語る者も非難され、すこしく語る者も非難される。つまり、世に非難されない者はいない」

皆さんこの言葉、どうお受けとめになられますか?例えば皆さんが会議に出たとします。もし会議で黙っていると…あの人は何を考えているか分からない、いてもいなくても一緒じゃないか。もしたくさん意見を出すと…あの人はおしゃべりだ、自分の主張ばかりだ。あるいは控えめに少し意見を言うと…的外れだ、もっと積極的に意見を出して欲しい等々、非難批判される事もありますし、逆に何を言っても賞讃される時もあります。つまり全く同じ事をしても周囲の方の状況や立場や見方が違えば、褒められもするし、全く逆に怒られたりもするという事です。お釈迦様の言葉の通り、非難批判しようと思えば、何だって批判できるのです。同じことをして褒めて下さる方もおれば、一方で勘違いや見方・考え方の違いから非難を浴びせかける方もおられる。それが世の中であります。

ならば、人様に迷惑をかける事は駄目ですが、自分の信じる道を進む、人様の評判は気にせず自分の信念を貫いていくのが一番良いと思います。お釈迦様はこうも言っておられます。「ただ非難されるだけの人、ただ賞賛されるだけの人は過去にも未来にも現在にもいない」、「壮大な岩が風にまったく揺るがないように賢者は、非難と称賛に動じない」

これらは約2500年前のお釈迦様の言葉ですが、私自身、人様からの評判や非難に悩んでいた時に大きな勇気をいただいた事もあり、現代にも充分通用する珠玉の言葉であると感じています。



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