現代人の法話 
〜 「笑う門には福来たる」 〜

 最近幸せ≠ノ関する本を数冊読み、考えをめぐらす機会を得た。あらためて思ったのは、幸せとは、衣食住やお金、車などの物質的な満足、また人や健康、やりがいのある仕事に恵まれる事など、すべてが満たされる事では無く、たとえ満たされていなくても、考え方次第で幸せになれる、幸せは心の持ち方次第という事であった。

お釈迦さまが「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によって作り出される」と示し、かのシェークスピアが「世の中は幸も不幸もない。ただ考え方でどうにでもなるのだ」と語ったように、全く同じ状況でも、心すなわち考え方次第で受け取り方は180度変わるのである。ならば自分の意志で考え方を選び、心を楽な、良き方向へ、怒り・不満不平・嫉妬・不安などの悪い感情を避ける方向へ導くのが幸せへの近道であろう。

古人は「笑う門には福来たる」と言い、フランスの哲学者・アランは「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」と記した。笑う、すなわち何事にも微笑めるような楽観的なモノの見方、余裕をもった考え方、受け取り方をする所に、心の安寧、幸せは訪れるのである。

「南無阿弥陀仏」―お念仏をお称えすれば、阿弥陀さまと深いご縁が結ばれ、日々お護り下さる。この事を心の根っ子に据えて、考え方を良い方向へ向けて、良い選択を心掛ける、そこに心の安楽―幸せがきっと近づいて来ます。



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