現代人の法話 
〜 「あなたは何を遺しますか」 〜

いよいよ元号も令和≠ノ変わり、気持ちも新たに新時代を切り拓いていきたいと思い願うが、テレビ等で平成≠ニいう時代を振り返る特集番組を見ていると、あらためて多くの人が様々な業績や事業、流行を創り出し、遺していった事が見てとれた。

それでは私たちは次の世代に何を遺せるのであろうか?

私はテレビで特集される程の大きなモノは遺せないが、それでも次の世代には少しでも善いモノを遺して逝きたいと思う。それはお金や不動産などの物質的なモノでは無く、人が生きていくために大切な様々な精神的なモノ、人生訓、教訓でありたいと思う。物質的なモノは使えば無くなってしまい下手に遺すと後継者達の争いや怠惰にもつながりかねない。しかし精神的なモノはいくら使っても減ることは無く、未来にそれらが広がることによって無限の可能性を秘めている。そしてそこには宗教が大きな役割を担うのではないかと考えている。宗教は拝むだけのモノでは無い。心の支えとなって逆境に耐えう力を生み。順境にあっても感謝の心を忘れず、すべての人に思いやりをもって接し、幸福を育む。これらはすべての宗教に共通する理想であり、その実現のために様々な教え、教訓、金言が存在している。

「金を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上」―明治大正昭和と活躍した政治家で関東大震災からの東京復興計画に大きな足跡を遺した後藤新平氏の言葉である。すなわち人生の最後には財産を遺すことよりも、世のため人のためになる事業を遺すことが中=\優れており、さらに勝れている事は上=\良い人材を遺す、すなわち人を育てるということである。

新しい令和≠フ時代にあたり、あなたは次世代の人々に何を遺しますか?あらためて己自身に問いていただきたい。



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