現代人の法話 
〜 「お盆を終えて〜感謝と願い」 〜

今年も厳しい暑さが続きましたが、おかげ様で7月、8月のお盆供養を無事おつとめする事ができ感謝の気持ちで一杯です。

特にお盆のお棚経ではほとんどお留守のお宅が無く、また8月13日のお盆合同供養法要には40名を超える方々が猛暑の中をご参拝くださいました。これらはいわゆる義務感とは違い、皆様のご先祖様、大切な方々を思う気持ちが形・行動に表れたものであると、あらためて住職として身の引き締まる思いで臨みました。

『父母恩重経』というお経があります。この中に「山より高き父の恩、海より深き母の恩、知るこそ道のはじめなれ」とあり、父母のご恩を感じに感謝することが仏教えを学ぶ道の第一歩であることが記されています。ご先祖様とは父母の父母、そのまた父母と…、代々を重ねてきたk方々ですから、ご先祖様のご恩と置き換えても良いと思います。

しかし…とお経は続きます。「人は成長するにつれてそのご恩を忘れ、父母の言葉に時には怒り、時には随(したが)わなくなる。そして年老いた父母を侮る事すらあり、それは地獄への道である」と。

そしてお釈迦様はそれを防ぐために父母からの10種のご恩を示し、「親というものは生きている時は、寝ても覚めても子を想い、その苦難には自分が身代わりになろうと思う。そして自分が死んだ後は、魂となって子を護ろうと願う。子は常にその心を受けて成長した事を忘れず孝養の心で接し、また供養する事である」とお諭しになられます。

これこそまさにお盆供養の求める所である。一年に一度、ご先祖様を自宅にお招きして、親族が集まり、真心からご接待=ご供養を致し、自分が生まれ生きてきた道のりを見つめ、日々の反省をし、先人のご恩を感じる。今後とも意義あるこの伝統行事を共に大切にしていきたいと願います。(お経は意訳となっています。)



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