現代人の法話 
〜 「三種の文字」 〜

 お釈迦様が語られたたとえ話に「三種の文字」というものがあります。
 この世には三種の人がおり、岩に刻んだ文字のような人と、砂に書いた文字のような人と、水に書いた文字のような人であるというのです。岩に刻んだ文字のような人とは、しばしば腹を立てて、その怒りを長く続け、怒りが岩に刻み込んだ文字のように消える事のない人をいいます。次に砂に書いた文字のような人とは、しばしば腹を立てるが、その怒りが砂に書いた文字のように速やかに消え去る人を指します。そして水に書いた文字のような人とは、水の上に文字を書いても流れて形にならないように、他人の悪口や不快な言葉を聞いても少しも心に跡を留める事もなく温和な気持ちでいられる人の事をいうのです。
 同じ場面に出会って、怒る人もいれば、怒らない人もいる。「怒りは敵」という格言もあります。あなたは、どの反応を目指して、心の平安、安らぎを得ようと思いますか?



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