現代人の法話
〜 「なぜ人は悩むのか?」 〜
生きていると様々な悩み事が次々と出てきます。これはなぜなのか?お釈迦様は「苦悩の根本とは執著(しゅうじゃく)である」と諭されました。執著とは物事に固執するとらわれの心∴スいはこうあるべきと思い込む心≠ナ、これが過剰に大きくなると苦悩につながるのです。
例えば無量寿経の一節に「人は田んぼがあれば田んぼの心配をし、家があれば家の心配をする。また田んぼが無ければ欲しいと悩み、家がなければ欲しいと悩む(意訳)」とあります。人は一旦 物を手に入れるとこれを失いたくないと固執し失う事を心配し悩み、また手が届かなければ欲しい欲しいと苦悩し、時に人に嫉妬してしまうのです。これは田んぼや家屋などの財に限らず地位や名誉、人間関係も同様で、執著し過ぎれば苦悩となるのです。これに対してお釈迦様は「世の中には一つとして我が物というもの無し、すべてただ因縁によってわれに集まりたるにすぎず。ただ預かるのみ」と執著の心を制す心構えを示されました。また人間関係の中でも「自分が正しい。こうあるべきだ」と過剰に思い込むと現実とのギャップに「相手が間違っている。なぜそんな事を言うのか、するのか」と悩み苦しむ事になります。
執著は生きている以上、完全に無くすことは難しいですが、自分の悩みを冷静に見つめ、その原因である己の執著に気付けば、そこに解決の糸口が見い出される。それがお釈迦様の教えです。