ふるさと栃木、再発見 
〜 「小平浪平(おだいらなみへい)」 〜

今回ご紹介するのは、場所でなく人物、栃木市(旧都賀町)で生まれ育ち、後に日本を代表する総合電機メーカー『日立製作所』を創業した小平浪平氏です。

氏は明治7年(一八七四)現在の栃木市都賀町合戦場(つがまちかっせんば)で生まれ栃木高等小学校卒業後上京、東京帝国大学を卒業すると技師として歩む中で外国技術に頼らず国産の自主技術を興(おこ)したいと考え、ついに明治43年(一九一〇)国産初の5馬力誘導電動機(モーター)を完成、同年に日立製作所を創業した。

氏の特筆すべき特徴は、厳密な原価計算や製品の信頼性を徹底的に高める事など、今日でも重視される経営理念を早くから取り入れ、また材料不足や工場火災などの逆境もあった中、今日の世界的な日立製作所の基礎を作り上げ大きく発展させた。その点で栃木市を代表する偉人であるが、一方で栃木出身という事がなかなか知られていないのも残念な事実である。

氏の生家(せいか)は現在、都賀町に現存しており、外観のみ見学することが出来る。また生家の入口には略歴を記した立札があり、そこには日立製作所の社是(しゃぜ)は「和をもって貴(とうと)しとなす」と仏教的な言葉が刻まれている。また母校の合戦場小学校の歴史資料室には、氏の写真や書、在籍当時の絵画や賞状、年譜(ねんぷ)など貴重な資料が多数展示されている。

皆さんもぜひ一度、郷土が生んだ偉人・小平浪平について調べてみてはいかがでしょうか。

・生家=栃木市都賀町合戦場七五五


 


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