なるほど ザ 仏事 
〜 「お灯明について」 〜

 

なぜご本堂、お仏壇など仏様の前にはお灯明(ロウソク、電灯等)があるのでしょうか?そんな素朴な疑問に、私なりにお答えしたいと思います。

なぜお灯明をあげるの?
 

現代では、照明と言えば電灯、お灯明と言えばローソクですが、昔は照明として、小さな皿に油を入れ、灯芯に火を灯す油皿が使われていました。聖者がいらっしゃる所は明るくなくてはなりません。そこで仏様へ捧げるご供養の一つとして初めは油皿が使われ、後にローソクが発明され使われていったと考えられます。仏教では「貧者の一灯」という逸話があり、お釈迦様の時代からご供養としてお灯明がお供えされました。ちなみにお線香の火を点けるためではありません。


お灯明は、仏様の智慧の象徴
 

お灯明の明かりは暗闇を払い周囲を明るく照らして下さいます。同じように仏様の智慧が、私達の心の闇すなわち煩悩を照らし出し、取り除いて下さる事からお灯明は仏様の智慧を表しています。


お灯明は、生き方の理想

「ローソクは身を減らして辺りを照らす」と言います。お灯明は自らを燃やすことで、周囲を明るく照らします。この姿が自分の身を削ってでも他人のために尽くす「利他行」〜仏教的生き方の理想を私達に教え示して下さっています。


お灯明の種類、注意すること
 

ローソクには和と洋の2種類があり、現在主流なのは洋ローソクは扱いが楽で煙も少ないのが特徴です。また色は白がほとんどですが、慶事用に朱色のものもあります。
お参りの後は、防火のためにも忘れずローソクを消しましょう。その際、口で息を吹きかけて消さず、専用の小型ウチワ、または手のひらで風を送って消します。これは仏様へのご供養の品に吐息を掛けるのは不浄とされているからです。


 


Back