ほんとうの七夕

七夕というのは旧暦の7月7日の行事です。今年(2012年)の場合は8月24日。例年、8月の中旬から下旬になる場合が多いようです。その頃なら晴れる確率が高くなりますね。

旧暦というのは太陰暦。月の動きを元にしたこよみです。新月から次の新月までが1ヶ月。約30日です。そして、ほぼ月齢が日付になります。正確に言うと、月齢0、つまり新月の日が1日になります。また、月の軌道は楕円のため、月齢が同じでも月の形が微妙に異なることがあります。

右の図は、2014年の2月の月齢入りカレンダー。現在のこよみです。各日付の上段が日にち。○の中が月齢です。○の中の黄色い部分が、その日、月が光っている部分。この月は日付と月齢が一致しています。太陰暦なら毎月これと同じで、日付と月齢がほぼ一致しているわけです。各家庭にカレンダーなど無かった昔は、月の形を見れば、今日がだいたい何日なのかわかりました。
このカレンダーは、たまたま2月なので28日までしかありませんが、太陰暦の場合は30日まであります。31日はありません。

今年(2012年)の旧暦の7月7日は8月24日です。ほんとうの七夕はこの日になります。
太陰暦の7月7日...  おわかりでしょうか。夜空には七日月が出ています。カレンダーの7日のところの形の月です。ほぼ半月ですね。七夕を旧暦でやれば、毎年必ず、半月がでているのです。下の図をご覧ください。旧暦の7月7日ならば、星と月は毎年必ずこの配置になります。夏の半月は夕方、南の空の低いところにあり、夜10時半ぐらいに南西の地平線に沈みます。

実は、この半月も七夕の登場人物の一人です。半月は南の空にある時は縦に半分ですが、地平線に沈む頃には横になります。横になった半月って、舟に見えませんか? この半月は、織姫と彦星が天の川を渡る時の渡し舟と舟頭です。

半月が出ているときは空が明るくて、天の川はほとんど見えません。ですから、七夕の物語は月が沈んだ後に始まります。月が沈むと空が暗くなり、天の川がはっきり見えてきます。そして、川の両岸に立つ織姫と彦星の姿が際立ってきます。
半月が空にある時には、舟頭はつれなく二人を見守るだけでした。しかし、地平線に沈んだ後、織姫を迎えに来てくれて、向こう岸か中州まで乗せていってくれるのでしょう。

旧暦で七夕祭りをしていた時代は、毎年同じところに同じ形の月があるので、月も七夕の登場人物のひとつでした。ところが現在の太陽暦になってからは、月は年によって空に有ることもあれば無いこともあり、形もまちまちになってしまいました。そのためか、現在我々が知っている七夕の物語の中から月が消えてしまいました。渡し舟と舟頭が出てこないのです。

七夕祭りは太陽暦でやってはいけません。梅雨の真っ最中だということもありますが、旧暦(太陰暦)の7月7日にやらないと、登場人物が一人いなくなってしまいます。織姫がどうやって天の川を渡るのかもわからなくなってしまいます。

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