こどもの星座

先週の音楽テーマが「こども」だったのですが、都合で1週間遅れになりました。

こどもの星座というと、人間ではありませんが親子の星座として、おおいぬ座とこいぬ座、しし座とこじし座、おおぐま座とこぐま座、ペガスス座とこうま座があります。
ふたご座は人間のこどもの星座です。カストルとポルックスという双子の兄弟が星座になりました。双子の兄弟が肩を組んで並んでいる星座です。ふたご座は冬の星座なので、夏だと季節外れです。5月22日〜6月21日がふたご座生まれ。自分の星座は、誕生日近くの時期には見えません。今だと、明け方の東の空に昇ってきます。

今夜(8月26日)あたり、見やすい位置にあるこどもの星座はこぐま座です。北斗七星と北極星を見つければいいので、北の空を見てみてください。この時期は、北極星の西側に北斗七星があり、ひしゃくが下にぶら下がった形になっています。北極星から左上の方に小さなひしゃくがあります。こちらがこぐま座。

この親子の熊にまつわる神話があります。親子の熊は、元々は人間だったのです。


ステラナビゲーター9にて作成



おおぐま座・こぐま座

北天を回り続けるこの2つの星座には、とても悲しいギリシャ神話があります。
大熊の方は、元々は美しいニンフのカリストが熊に変えられたものです。また、すぐ隣にあるこぐま座 は、カリストと大神ゼウスとの間に産まれたアルカスだと伝えられています。

カリストは月の女神アルテミスにつかえていました。ある時、大神ゼウスにみそめられ、ゼウスの子、アルカスを産みました。これを知った処女神アルテミスは激怒し、カリストを醜く大きな熊の姿に変えてしまいました。醜い熊の姿になってしまったカリストはアルテミスのそばを離れ、産まれたばかりのアルカスを置いて、森の奥へと姿を消しました。

それから幾年月が過ぎ、アルカスは一人前の立派な狩人になりました。
ある日、アルカスが獲物を求めて森を歩いていた時のこと。熊として森で暮らしていたカリストは、偶然茂みの向こうからやってくるアルカスを見つけました。熊になってしまったとはいえ、カリストは息子のことを忘れたことはありませんでした。息子に出会えた嬉しさのあまり、カリストはつい我を忘れて、茂みから飛び出してしまいました。
ところがアルカスには、茂みから突然飛び出して来た熊が、まさか自分の母親だなどとわかるはずがありません。アルカスは慌てて、持っていた弓に矢をつがえ、熊の心臓に狙いを定めて弓を引き放ったのです...
熊になったカリストは死んでしまいました。
この有様をオリンポス山から見ていた大神ゼウスは、母子の運命を憐れみ、アルカスも小さい熊の姿に変えると、天に上げて星座にしました。
こうしてカリストはおおぐま座に、アルカスはこぐま座になったのです。
親子の熊を天に上げる際、しっぽを持って振り回して放り上げたので、しっぽが伸びて、しっぽの長い熊の星座になったと言われています。

この話にはまだ続きがあります。
日頃から夫ゼウスの浮気を腹立たしく思っていた女神ヘーラは、ゼウスに愛され星になったカリスト親子が憎くてたまりませんでした。ヘーラは、海の神オケアノスと海の老神ネレウスの娘、テティスのもとへと赴き、2人に頼みました。
カリストとアルカスが他の星のように、一日に一度、地面の下に入って休むことができないようにしてくれと。ゼウスの妻の頼みですから、それは聞き入れられ、おおぐま座とこぐま座は一年中休むことなく、北の空を回り続けることになってしまったそうです。

 



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