人工衛星が飛んでいるのは宇宙です。人工衛星のほとんどは地上から100km以上うえを飛んでいます。国際宇宙ステーションは400kmぐらい上です。一方、流れ星が光るのは大気圏内なので、宇宙ではなく空です。流れ星は、地上から100kmより少し上ぐらいのところから光り始めます。
そうすると地上から100kmあたりが境目になりそうですね。確かにだいたいそのあたりですが、難しい問題があります。
領土や領海と同じように領空というものがあります。日本の上の空は日本の領空。勝手に領空に入ってきた外国の飛行機は撃墜していいんです。でも、日本の上を通過する人工衛星を撃墜してはいけないですよね。空と宇宙の境目って、そういう意味で重要です。各国の利害に関わるところなので、国連では、正式に境目がどこというのは決めていません。決められないのでしょう。宇宙のロマンとはかけ離れた話です。
唯一、国際航空連盟というところで、地上から100 kmを宇宙と大気圏の境界線と定義しています。ここをカーマン・ラインといいます。カーマン・ラインを超えると「宇宙に行った」と認定されます。カーマン・ラインを超えた後、すぐに地上に戻ってくるという程度の宇宙旅行は、近い将来、個人でもできるようになるらしいです。
空気がどこまであるかという観点で空と宇宙を区別することもできます。でも、これも難しくて、
人間が呼吸できるだけの空気があるのは約5km上まで
飛行機が飛べるのは約10km上
気圧が 0 になるのが30km上
流れ星が光るのは約100km上
空気の分子が検出できる限界は約10,000km上
どこまで空気があるかというのも基準によって変わります。
空気があるのはカーマン・ラインの100kmまでとしてみましょう。
地球の直径は約12800kmです。100kmというのは、地球の直径の約1/130しかないわけです。
地球を直径13cmの円で描いた時、その外側1mmにしか空気がありません。人間が呼吸できるだけの空気があるのは 0.05 mmです。
空の広さに較べたら人間って小さなものです。空は広大で、空気も無限にありそうな気になりますが、空気ってこんなに少ししかないんです。それを汚さないようにしないといけませんね。
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