宇宙にかかった魔法

宇宙って、実はわからないことだらけで、わかっていることの方が少ないんです。理由がわからないのに、現実はこうなっている! ということだらけです。現在のところ、理由がわからないことは「魔法がかかっている」としか言えません。
ここでちょっと裏話ですが、実は、12月もベリークラシック・コズミックジャーニーには音楽テーマがありました。今回は「魔法」でした。それで星の話も、適切かどうかわかりませんが、「魔法」という言葉を使っています。

たとえば、銀河。天の川のことではなくて、星が一千億個程度集まって、主に渦巻き型になっている天体のことです。これが宇宙には無数にあります。太陽が含まれる「銀河系」もそのひとつです。昔、理科の時間に「銀河系」と習った人たちはおじさん・おばさんで、現在は「天の川銀河」と言います。

M101(おおぐま座) 正面から見た渦巻き銀河

M81(おおぐま座) 斜めから見た渦巻き銀河

NGC4565(かみのけ座) 横から見た渦巻き銀河


銀河が渦巻き型になっている、この理由がわからないのです。現在わかっている知識の範囲でシミュレーションすると、銀河はあっという間に飛び散って、ばらばらになってしまいます。渦巻き型を長い時間維持できているのはなぜか・・・?
渦巻きが何か強い力で押さえつけられていないといけません。それも半端な力ではありません。
人間の目で見えている渦巻き銀河は、全体のたった4%、残り96%は正体不明の何かがあって、それが渦巻き全体を押さえつけられているというのです。その何かを、科学者は「魔法」と言うわけにはいかないので、「ダークマター」とか「ダークエネルギー」と呼んでいます。
これは何なんでしょう。私たちが知っている物質の量よりも、はるかにたくさんあります。私たちが生きている間に解明されるのでしょうか?

これが解明されても、私たちの日常生活には何の関係もないかもしれません。それのために、世界各国が国家予算を使うのはどうなのでしょう? 無駄なことにお金を使っているという人がいるかもしれません。でも、役に立たなくても、人間の知的好奇心を満足させてくれる研究、そういうことにお金を出していいのではないでしょうか。また、現在は役に立たないと思われていることでも、もっと遠い将来、大きな産業になるものもあります。





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