ふたご座


2月中旬の夜9時頃、真上の夜空を見上げると、ふたご座があります。
カストルとポルックスという双子の兄弟の星座です。カストルが兄でポルックスが弟。二人が肩を組んで並んでいる姿が星座になっています。
この二人の足下には、冬の天の川が流れています。冬の天の川は淡いので見えにくいですが、真上方向なので空の条件が良ければ見えると思います。

カストルは複雑な星です。
この星を小型の望遠鏡で見ると、2つの星に分離します。連星・・・2個で一組の星です。ところが、大きな望遠鏡で見ると、もうひとつ暗い星が付いているのがわかります。3連星。
さらに詳しく調べると、望遠鏡では見えないのですが、その3個の星それぞれが連星になっています。つまり、全部で6個一組の星。
肉眼で見ると1個の星にしか見えませんが、6個の星の光が集まって1個の1等星として見えているのです。




カストルの足下にM35という、比較的大きな散開星団があります。肉眼では見えませんが、双眼鏡で見ると、ここにたくさんの星が集まっているのがわかります。大きな望遠鏡で見ると、M35のとなりに小さな散開星団があるのがわかります。NGC2158。望遠鏡で見ると1個1個の星には分離して見えず、全体が丸い小さな雲のように見えます。
下の写真で、中央に星が集まっているところがM35。その右側に小さくまとまっているのがNGC2158。

M35のすぐ下(南側)に通称、モンキー星雲と呼ばれる天体があります。これは赤い散光星雲で、大きな望遠鏡を使っても肉眼では見えません。
天体撮影用のカメラで写して見るしかありません。
これは宇宙空間に漂う水素ガスが近くにある星からエネルギーを受けて、主に赤い光を出して光っています。赤い光の波長は656.3nm。夜間は、人間の目はこの波長の光が見えません。ですから、望遠鏡で見ても肉眼では見えないのです。

下の写真を見て、サルに見えますか?
サルというより孫悟空に見えるかもしれません。横顔です。
一度、サルに見えてしまうと、もうそれ以外には見えませんね。





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