パンスターズ彗星


昨年、2012年は天文に関しては「金」の年でした。「金」の付くとても珍しい天文現象が3つ日本で見られました。
 ・金環日食
 ・金星食
 ・金星の日面通過
最初の金環日食、栃木県では天気に恵まれ RADIO BERRY でもその様子が鹿島田千帆さんの「B-UP」番組中、生中継されました。私もそれに参加したのがきっかけで、この「ベリークラシック コズミックジャーニー」を担当することになりました。

さて、今年は「彗星(すいせい)の年」という前評判です。彗星というのは、別名「ほうき星」と呼ばれ、掃除に使うほうきのような形の尾を引く天体です。今年、大きな彗星が2つ、やって来ます。
彗星という天体はたくさんあるのですが、星に興味が無い人にはあまりなじみのない天体ですね。それは、一般の人が肉眼でも見えるような明るくて大きな彗星はめったに現れないからです。日本から見えるそのような彗星が前回現れたのは、1997年のヘール・ボップ彗星。これを見たという記憶があるのは20歳以上の人でしょう。そのくらいの間、明るい彗星は現れていません。


ヘール・ボップ彗星

今年、そのような明るい彗星が2つ見られる可能性があります。「可能性がある」というのは、彗星の明るさは予測が難しいのです。明るくなると予想していたものが、来てみたら暗かったとか、明るくなるという予想がなかった彗星が突然明るくなったりとか。
彗星という天体は、太陽系の一番外側のはるか彼方からやってきます。そして太陽の近くをぐるっと回って、またはるか彼方に帰って行きます。大きさもいろいろです。3月にやって来る「パンスターズ彗星」は本体が大きいのです。大きいので明るくなると期待されていますが、太陽の近くを回った後にはじめて、明るいかどうかがわかります。パンスターズ彗星が太陽にもっとも接近するのが3月10日。日本から見えるようになるのは3月13日ぐらいから。日没後の西の空、低いところに見えます。ですから、西側に建物や山があると見えません。
パンスターズ彗星が明るくなることを期待して待ちましょう。それまでに、西側が開けた場所を探しておいてください。

ふたつ目は「アイソン彗星」。12月に来ます。そちらも期待して待ちましょう。



(追記)

パンスターズ彗星は、期待したほど大きくなりませんでした。肉眼ではほとんど見えず、双眼鏡で見ても、見つけるのがたいへんでした。一般の人で見たという人はごくわずかでしょう。これでも彗星としては大きい方なのです。
アイソン彗星に期待しましょう。


パンスターズ彗星
300mmF2.8望遠レンズで撮影   ISO800 露出2秒







戻 る