うしかい座・おとめ座


夏の大三角、冬の大三角と同じように「春の大三角」もあります。でも、夏や冬のように有名ではなく、教科書にも載っていません。
春は星が少ない時期。春の夜空には1等星が3つしかありません。アークトゥルス、レグルス、スピカの3つ。でも、その3つで春の大三角ではありません。一角はレグルスではなく、同じしし座にある2等星、デネボラです。夏や冬の大三角ほど、明るい星ではありません。
その代わり? 「春の大曲線」というのがあります。春の夜空にある目立つ星をつないでいくと大きな弧が現れます。

春の大曲線

これは写真より肉眼で見るた方がなめらかな曲線に感じます。

アークトゥルスがあるのは「うしかい座」。
この星座は、8000年ぐらい昔、チグリス・ユーフラテス川あたりにいた遊牧民が作ったといわれる大昔からある星座です。アルクトゥルスはオレンジ色に見えます。日本では「麦星」と言われていました。 麦の穂の色、麦が実る頃に見えている星です。この星の特徴は、固有運動が大きいことです。
星は時間とともに東から西に動いていきますが、固有運動というのはそういうことではなくて、星座の形が変わってしまうように星の位置が動くことです。アルクトゥルスはスピカの方に向かって動いています。5万年後には、アルクトゥルスとスピカが非常に接近して輝くことになります。


うしかい座

スピカはおとめ座の一番明るい星です。星座の中で一番明るい星をα星といいます。2番目以降は、β、γ、δ・・・ と続きます。ギリシャ文字です。アルファードという名前の車がありますが、一番明るく輝くもの、という意味で付けられたのでしょう。スピカはおとめ座のα星。
おとめ座は黄道12星座のひとつで、おとめ座生まれは、8月24日~9月23日です。この番組のナビゲーター、鹿島田アナはおとめ座生まれ。

おとめ座

おとめ座は春の南の空に見えます。上の写真で下側が白っぽいのは、南の空低いので地上の光の影響です。
おとめ座やかみのけ座のあるところは、暗黒星雲や星間物質などの光りを遮るものが少な方向です。そのため、宇宙の遙か彼方まで見透せます。おとめ座の向こう側の遙か彼方に、以前にもご紹介した「おとめ座銀河団」と呼ばれる系外銀河がたくさん集まっているところがあります。大きな望遠鏡があれば、これらを見ることができます。







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