土星


今の時期、土星は夜8時半頃、東の空から昇ってきます。そして、夜中の0時ぐらいには南の空に来ます。南の空に明るい星が2つ、西側がおとめ座のスピカで東が土星です。土星のさらに東側はてんびん座。もっと東には、さそり座のアンタレスという赤い星が見えています。

                             ステラナビゲーター9にて作成

土星といえば「輪」ですね。実は、輪の傾きは15年周期で変わります。2009年に輪を真横から見る位置になりました。輪は薄いので真横から見ると見えなくなります。・・・ということは、輪のない土星になる!
それから数年過ぎ、今年あたりは輪の傾きがちょうどよくなり、一番土星らしい姿の土星を見られます。もちろん、そのためには天体望遠鏡が必要です。
100倍前後の倍率で見るといいでしょう。高性能な大型望遠鏡があれば、もっと高倍率でもいいですが、小型望遠鏡の場合は50倍ぐらいで見ると、こぢんまりとかわいい土星が見られます。


ところで、土星の輪は何でできているのでしょう?
一枚の板ではありません。輪は氷の粒が集まってできています。粒の大きさは1cmから10mくらいまで。そして、輪はひとつではありません。望遠鏡で見ると、輪の間にいくつかのすき間があるのがわかります。小型の望遠鏡で見ても、輪が2つに分かれているのがわかります。上の写真で、内側の濃いところと外側の薄いところの間にすき間が見えます。大型望遠鏡で見ると、他に狭いすき間が数本あるのがわかります。

土星は大きい惑星です。太陽系では木星の次の2番目。でも、密度は非常に小さいのです。土星全体を平均した密度は0.7ぐらい。植物油の密度が0.9程度、ということは、土星は水に浮くということです。
また、土星には衛星がたくさんあります。土星には地面がないので、土星の上に立つことはできませんが、土星表面から空を見上げられれば、夜空には大小60個以上の月が見えます。その中で一番大きいのがタイタン(Titan)。英語の発音で読むとチタン。金属のチタンと同じ語源です。タイタンは大きいので、小型望遠鏡で覗いても土星の近くに見えます。衛星ですから土星の周りを回っているので、時によって見える位置が違います。

夜はさほど冷えなくなりました。天体望遠鏡やスポッティングスコープを持っている人、知り合いが持っている人、土星に向けて覗いてみましょう、覗かせてもらいましょう。







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