かみのけ座


「かみのけ座」って知ってますか?
きっとみなさん、知らないと思いますが、細長い星座のような感じがしますね。でも、髪の毛というより、カツラと言った方がわかりやすい小さな星座です。
おとめ座、しし座、うしかい座、おおぐま座に囲まれた星の少ないところにあります。星座の形を作る星も暗い星が3つしかありません。
でも、かみのけ座のあたりを見ると、ぼーっと小さなちぎれ雲のようにうすく光っているところが見えます( * 地上の光が少ない十分に暗い空の下で見たとき)。
下の写真をご覧ください。


かみのけ座
(デネボラは、しし座のしっぽの星)

画面中央よりやや右上に、たくさんの星が集まっているところがありますね。このあたり全体が1個1個の星として見えるのではなく、全体がちぎれ雲のようにうっすら光って見えます。ここは、Mel.111という番号が付いた太陽系に近い所にある散開星団です。昔の人は、ここを「かみのけ」として見ていました。

暗い星しかなくて小さな星座ですが、かみのけ座には大切なものがあります。かみのけ座という星座自体にではなく、となりのおとめ座からかみのけ座の方向は、宇宙の彼方から来る光を遮るものが少ない方向です。この方向を見ると、宇宙の遙か彼方まで見えます。100億光年先が見えます。100億光年というのは、光の速さで飛んでも100億年かかる距離。想像がつかないですね。
この宇宙ができたのは138億年くらい前です。100億光年先が見えるということは、100億年前の宇宙の姿を見ていることになります。宇宙がどのようにしてできたのか、どのように進化してきたのかを調べる重要な資料になります。かみのけ座の方向の銀河を調べると、宇宙が進化していった過程がわかるのです。

かみのけ座には、大型天体望遠鏡で見れば、肉眼でも見える系外銀河がたくさんあります。一押しなのがNGC4565という番号が付いている銀河。

NGC4565

渦巻き銀河を真横から見ています。私たちの太陽がある天の川銀河を真横から見られたらこんな風に見えると考えられています。コズミックジャーニーのページにある「天の川ってそもそも何なの?」の説明で、天の川銀河を真横から見た形として使っている写真がこの銀河です。
これは系外銀河としては大きい方で明るい方でもあるので、双眼鏡ではムリですが、小型の天体望遠鏡でも細長い形に見えます。


M64

これは、通称「黒目銀河」と呼ばれるM64です。望遠鏡で見ると人の目のように見え、しっかり黒目があることがわかります。
かみのけ座にはこれらをはじめとして、たくさんの系外銀河があります。天文台にあるような大型天体望遠鏡で、かみのけ座の銀河を次々に見ていくと、銀河をいろいろな方向から見ることができます。








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