系外銀河


系外銀河とはどういう天体でしょう?
太陽系が含まれる渦巻き型の星の大集団を「天の川銀河」と呼びます。その外側のはるか彼方にも同じような渦巻きや渦を巻いていない星の大集団が無数に存在します。それらすべてを含めた総称が「銀河」です。
太陽系のある銀河は「天の川銀河」、それ以外を「系外銀河」と呼んで区別しています。

日本から見える一番大きい系外銀河は「アンドロメダ大星雲」で秋に見えます。これは肉眼でもかすかに見え、双眼鏡で見ると楕円形で渦を巻いているのがわかります。春は、おとめ座やかみのけ座の方向を見ると、宇宙のはるか彼方まで見透せます。遠くにあるため小さく、暗くしか見えませんが、たくさんの系外銀河が見えます。


かみのけ座・おとめ座付近にある比較的明るい系外銀河を青いマークで表示しました。暗いものまですべて表示すると、画面が青いマークで埋め尽くされてしまいます。この方向にはそれくらいたくさんの系外銀河があります。・・・というよりも、この方向だけにあるわけではなく、この方向には光を遮る障害物が少ないのでたくさんの系外銀河が見えるのです。



M101



渦巻き銀河を正面から見るとこんな形


M104



渦巻き銀河を横から見るとこんな形

通称「ソンブレロ星雲」
おとめ座にある



NGC4725


中央やや右下
それ以外にも2つ、小さいのが写ってますね。
これはかみのけ座方向

かみのけ座方向は、画面の中に複数の系外銀河が写ることが多い




NGC4216


おとめ座にある

たまたま細長いのが3つ集まっている


星雲や星団には
NGC○○○○ という
4ケタ番号が付いている

中でも明るいものには
M○○ という1~110までの番号が付いている


天体望遠鏡で見ると一番上の図にある系外銀河が全部見えるかというと、そういうわけではありません。ひとつひとつは小さくて暗いのでなかなか見えません。実は望遠鏡の視野内に見えていても、淡くて小さな光のシミみたいなものなので、慣れない人には見つけられないかもしれません。
たとえ見えても、
  「この小さくてぼやっとした、ちぎれ雲みたいなやつ?」
  「たったこれだけ!?  つまんない!」
ということになります。
わくわくグランディ科学ランドや大田原市ふれあいの丘「天文館」などにある大型望遠鏡で見れば、肉眼でも渦巻き型に見えたり、細長くて真ん中に線が入っているのがわかったりするものもあります。でも、数ある中のごく一部です。さらに、空に月が無くて、非常に良く晴れて空気の澄んだ日でないと見えません。
系外銀河は、一般の人が自分の目で見るのは難しい天体です。

一方、あちこちの天文台やアマチュア天文家が系外銀河の写真を写しています。肉眼ではうっすらしか見えない系外銀河でも、写真で見るとたいへん美しい姿になります。人間の目はリアルタイムの光を見ているわけですが、写真というのは、ある程度の時間の間にやってきた光をフィルムや受光素子の上にためることができます。一瞬一瞬の光は弱くても、それをためれば、明るく鮮やかに見えるようになります。

上の4枚の写真は、ななつがたけ北天文台で撮影したものです。こちらでは「きれいな写真」ではなく、「肉眼で見た感じに近い写真」を掲載しています。
前記の施設の大型望遠鏡で、最高に条件のいい日に見るとこの写真のように見えると思います。



ななつがたけ北天文台の系外銀河の写真はこちら
    http://www.cc9.ne.jp/~narabu2/kiroku/photo/130F.html

美しい系外銀河の写真はこちらをご覧ください。アメリカのキットピーク天文台ビジターセンターHPです。
    http://www.noao.edu/outreach/aop/observers/galaxy.html








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