夏の天の川


天の川というのは、春以外の季節ならいつでも夜空のどこかに見えています。中でも、夏の天の川が一番濃く見えます。
天の川というは、太陽系の周りをぐるっと取り巻いています。でも、方向によって濃いところと薄いところがあります。その理由は index ページの下の方にある「天の川ってそもそも何なの?」をご覧ください。

6月でも夜中になれば、夏の天の川がもう見えています。夏の天の川は、真上から南の地平線に流れ落ちるように見えますが、少し斜め(南に向かって立ったとき、左上から右下へ)なので、天の川の下の方、南の地平線近くは、6月が一番見やすい時期です。そのあたりには、さそり座といて座があります。日本から見える天の川では、このあたりが一番明るく見えます。


さそり座・いて座と天の川

さそり座は南の地平線のすぐ上にあります。釣り針のような星の並びで、容易にさそりをイメージできます。その東側にいて座があります。いて座は上半身が人間で下半身が馬の姿。ギリシャ神話に出てくるケンタウロス族です。その足の先は本当に地平線ギリギリで、いて座全体の星を見つけるのは難しいでしょう。いて座の一部である「南斗六星」は、上の方にあり明るい星の並びなので見つけられると思います。

さそり座やいて座を見るのが難しいのは、6月は梅雨の時期で、そもそも晴れる日が少ないということもあります。また、夏は晴れても、空の低いところにモヤがかかっていて星が見えにくい。さらに、栃木県から見ると南の方向は、はるか彼方まで街や大都市が広がっていて、地上の光が一番強い方向です。その光で星や天の川が消されてしまいます。
さそり座、いて座とその付近の天の川を見るのに適した場所は、南の地平線まで見える高い山の上、または、千葉県の勝浦から館山までの海岸(南側は海しかありません)。伊豆半島の下田でも同じ条件です。良く晴れた月のない夜、そんなところにいたら南の空を見てください。

東の方の空を見上げると七夕の星、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)がかなりの高さまで昇ってきています。そのあたりの天の川は、モヤや地上の光の影響を受けにくいので見える可能性が高いと思います。








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