プラネタリウム


今回はプラネタリウムのお話しです。

梅雨なので本物の星がなかなか見られませんね。こんな時期はプラネタリウムに行って星空をながめてくるのもいいでしょう。でも、もっと手軽な方法があります。スマホやタブレットで天体アプリをアニメーションで動かして見ることです。

アニメーションというのは、本物の星の動きはゆっくりですが、それを天体アプリで早送りで再現する機能です。
こういう場合は、日本製のアプリの方がなじみのある星座の形が表示されるので、「iステラ」,「スマートステラ」がいいでしょう。スマホだと画面が小さくて寂しいので、iPadなどのタブレットで見られるといいですね。5分を1秒で早送りぐらいがちょうどいいと思います。これも一種のプラネタリウムです。

でも、やっぱり大きいドームの中で見るプラネタリウムがいいですね。
皆さんは、最近、プラネタリウムを観に行ったことありますか?


栃木県子ども総合科学館プラネタリウム
栃木県にもいくつかありますが、一番大きいのは「子ども総合科学館」。ここはドームが大きくて収容人数も多い。でも、ここをはじめとして栃木県内にあるプラネタリウムは、機械が今となっては旧式になってしまいました。最近のプラネタリウムはかなり進歩しています。

最新型は何が違うかというと、街の光の影響がない高原で見る本物の星空とほぼ同じに見えます。
古いプラネタリウムだと、星の数が少ないし、明るい星と暗い星の明るさの差が小さい。明るい星が目立たないので、星座の形を探しづらい。星に詳しい人が見ると、ピンホールから漏れた光が天井に当たってるなぁ~、と見えてしまいます。


大平貴之さんという人がいます。「プラネタリウムクリエイター」という職業の人。ご存知でしょうか?
テレビドラマの主人公にもなった人で、「メガスター」というプラネタリウムをひとりで作りました。
これがすごい! 本物の星空よりもきれいかもしれません。メガスターという名前は「100万個の星」という意味ですね。


MEGASTARのホームページより

人間の目で見える星は6等星まで。その数は空全体で6000個程度です。ですから、どこのプラネタリウムメーカーも最大1万個程度の星を投影できれば十分と考えていました。大平さんが作ったメガスターは、その100倍の100万個の星を投影したのです。ということは、目には見えない暗い星まで投影しているわけです。メガスターから投影される暗い星は、ドームに映っても小さくて暗くて、客席からではほとんど見えません。見えない星を投影する意味はあったのでしょうか?

実際の星空も、肉眼で見える星の向こう側に、目には見えない暗い星がたくさんあります。見えなくても、星空の向こう側にも何かあるということを人間は感じているのでしょう。それと同じことをプラネタリウムで再現したのです。それによって、本物の星空と違和感のないプラネタリウムの星を実現しました。
最も効果があったのは天の川です。天の川は、目に見えない暗い星がたくさん集まって、全体としてボーッと光っています。天の川の中にも星が多いところと少ないところがあります。つまり、天の川は場所によって濃淡があります。それが再現できました。それまでのプラネタリウムの天の川は、同じ明るさの光の帯を投影していただけでした。メガスターの天の川は本物と同じと言っていい、とてもリアルなものでした。異次元の美しさ!
メガスターが入っているプラネタリウムでは、お客さんに双眼鏡を貸してくれるところがあります。メガスターの星を双眼鏡で見ると、本物の星空と同じく、肉眼では見えない暗い星が見えます。

メガスターに刺激されたのか、他のプラネタリウムメーカーも頑張って良いものを作りました。その結果、メガスター以降に出てきたプラネタリウムは、本物の星空に近い、きれいな星空を見せてくれます。また、星以外の映像も駆使したエンターテイメントになっています。


コニカミノルタプラネタリウムホームページより

近くでメガスターがあるのは、
  お台場の日本科学未来館
  日立シビックセンター
  かわさき宙と緑の科学館
  山梨県立科学館      など

双眼鏡がある人は、ぜひ持って行ってください。メガスターの星を覗くと、肉眼では見えない暗い星まで見えます。天の川を見ると、無数の暗い星が集まってできているのがわかります。その暗い星は、すべて実際の星空と同じ位置にあります。適当に星を作っているわけではありません。

メガスター以外の最新型プラネタリウムがあるのは、
  筑波エキスポセンター
  スカイツリーの麓にある「天空」
  郡山市ふれあい科学館  など

栃木県にもそういうのがあるといいですね。子ども総合科学館のプラネタリウムを最新型に入れ替えてもらえると、たくさんの人が美しい星空に接することができるんですけどね...

星空がなかなか見られないこの時期、みなさんもプラネタリウムに足を運んでみてはいかがでしょうか。


五藤光学ホームページより

それと . . .

ホームスターという家庭用プラネタリウムがあります。メガスターの大平貴之さん監修、セガトイズ社製作販売。
けっしておもちゃではありません。白い天井があれば、家庭で本格的な星空が投影できます。夜、天井に星を映しながら寝ると、いい夢が見られそうですね。ホームスターにもいろいろな種類があるので、ホームページをご覧ください。お風呂の中で使えるものまであります。ちなみに我が家には、最上位バージョンの「ホームスターEXTRA」があります。ほとんどこれを使うために作ったような吹き抜けのリビングがあり、斜めの天井に投影して美しい星空を再現してくれています。普通の部屋で使う分にはもっと安いもので十分です。

   ホームスターのホームページ  http://www.segatoys.co.jp/homestar/


我が家のリビング

吹き抜けのリビングに露出した梁から、ホームスターEXTRAとハイビジョンプロジェクターがぶら下がっている
天井にホームスターの星、スクリーンに「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」のブルーレイを。これが最高!








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