いて座・たて座


南に向かって立ったとき、夏の天の川は天頂(頭の真上)からやや右下に向かって流れ落ちています。その一番下、南の地平線近くにある星座がいて座です。西側の隣にさそり座もあります。。



いて座は上半身が人間で下半身が馬の形をしたケンタウロス族の星座です。ケンタウロス族のケイロンが弓を引いている姿になっています。矢が向いているのはさそり座。空の上でさそりが暴れたときに矢を放つ体勢を整えています。
いて座の上の方に北斗七星に似た星の並びがあるのですがわりますか?
写真の中に「いて座」という文字が入っているところの上です。ひしゃくが下向きに置いてある形。でも、星の数を数えると6個です。この部分を北斗七星に対して、南斗六星と呼びます。南の空が明るくても、比較的明るい星の並びなので、これだけは見える可能性があります。

いて座付近は、日本から見える天の川の中で一番濃く見える場所です。でも、地平線近くは、夏は特にモヤがかかっていて透明度が悪く、また、地上の光の影響を一番強く受けるところです。そのため、天の川の一番明るいところが見えづらいのが残念です。大都市から遠く離れた高原に行くことがあれば、ぜひ、いて座付近の美しい天の川を見てきてください。

天の川に沿って、いて座の上を見るとたて座があります。このあたりも天の川がひときわ濃くなっています。いて座よりも上にあるので、平地でもこのあたりの天の川は見える可能性があります。
たて座という星座は、昔のごますり天文学者が、天の川の一番美しいところを切り取って、時の国王に献上した星座だという話があります。天の川の中でもそれだけ美しい部分です。


たて座

いて座からたて座にかけての天の川の中には、双眼鏡や天体望遠鏡で見ると美しい星団や星雲がたくさんあります。代表的なものは、M8,M11,M16,M17,M20など。M11は大型の天体望遠鏡で見るととても美しい星団です。ななつがたけ北天文台の望遠鏡で見て、きれいな天体ベスト3に入ります。どこかの天文台で観測会があったときは、M11をリクエストしてみてください。


M11







戻 る