冥王星


ある程度の年齢の方は理科の時間に覚えさせられましたね。 「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」  最後が冥王星でした。
しかし、冥王星は最近、惑星ではなくなりました。惑星は「海」で終わりです。

冥王星は最近まで、太陽系の一番外側の第9惑星でした。しかし、2006年に行われた天文学の国際会議で惑星から除外されました。それと同時に「準惑星」という分類が作られ、冥王星はそこに入りました。なぜ、冥王星は惑星ではなくなったのでしょう。

まず、小さいこと。月よりも小さいのです。
次に、他の惑星と特徴が違い過ぎます。どんな点が違うかというと、水星から海王星までは、太陽の周りをだいたい同じ面の上を回っています。
たとえばCDやDVDの円盤の中心に太陽があるとすると、どの惑星も円盤の上をほぼ円形に回っています。どころが冥王星の軌道は、その円盤から大きく傾いていて、軌道も明らかな楕円です。太陽から遠いときは海王星のはるか彼方まで行くのに、近いときは海王星軌道の内側に入り込みます。

また、惑星は地球型、木星型、天王星型に分けられますが、冥王星はどれでもないようです。
   地球型 ・ ・ ・ 表面が岩石でできていて地面がある
   木星型・天王星型・・・表面は気体、少し内側は液体で地面がない
冥王星は主に氷でできているらしいのです。ほうき星の彗星に似ています。


「mitaka」 にて作成

近年、冥王星よりも外側にあって、冥王星に似ている天体が多数発見されました。冥王星が惑星ならば、それらもすべて惑星にしなければなりません。それよりも、冥王星は惑星ではないとした方が合理的だったのです。
冥王星は準惑星という分類になりましたが、冥王星以外の準惑星というと、「エリス」があります。冥王星のはるか外側を回っていて、冥王星と同じぐらいの大きさです。現在のところ、確定した準惑星は5個ですが、候補は数10個あります。

今回、冥王星の話をしたのは、今日(2013.7.21)、冥王星の食が起こります。「食」というのは、冥王星が月の後ろ側に隠れること。すごく珍しい現象なのですが、見えません。冥王星はとても暗いので月の光で消されてしまって全く見えません。見えませんけど、こういう機会に冥王星という星もあったなぁ、と思い出してもらえたらいいと思います。



話は変わって、「ベリークラシック・コズミックジャーニー」なので、クラシック音楽の話しを。ホルストの組曲「The Planets」、日本名「惑星」という曲があります。この中で「Jupiter」(木星)は知っている人が多いと思います。日本では、平原綾香が詩を付けて歌ってヒットしました。
「The Planets」は、「水星」から「海王星」まで、地球以外の7つの惑星の名前が付いた7曲で構成されています。冥王星はありません。ホルストは
なぜ冥王星を入れなかったのでしょう?

答えは簡単で、「The Planets」を作曲した頃、冥王星はまだ発見されていませんでした。でも、ホルストの存命中に冥王星が発見されました。ホルストは「The Planets」に冥王星を追加しようとしましたが、健康状態が悪く、作曲を断念しました。しかし、結果的にそれで良かったのです。

「The Planets」は、ホルストが作曲した直後の1920年代にもヒットしましたが、1960年代にカラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏でレコーディングされて大ヒット。一躍ホルストの代表曲になりました。
日本では冨田勲が新たな解釈の元にシンセサイザーで演奏。1970年代後半に世界的にヒットしました。日本では著作権の関係で、1990年代にCDが発売になりました。
そして、2011年に富田勲の集大成ともいえる「惑星 (Ultimate Edition)」が発売されました。この中には「小惑星イトカワと小惑星探査機はやぶさ」が追加されています。











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