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      中秋の名月 
       
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      旧暦の8月15日を「中秋の名月」といい、「十五夜」として、お月見をするならわしになっています。今年の中秋の名月は9月19日。 
      晴れたらゆっくりお月見を楽しんでください。 
       
      今回は、満月を見ながら知ったかぶりをして語るための満月うんちくです。 
       
実は中秋の名月でも、お月見をするときにまん丸の満月になっているとは限りません。旧暦のこよみと月の形が微妙にずれていることがあります。また、19日と言っても24時間ありますから、何時に月を見たかで微妙に月の形が違います。 
      今年はそういうズレがなくて、9月19日、20時13分に満月になります。ちょうどお月見をするくらいの時刻ですね。今年は正真正銘の十五夜、中秋の名月が見られます。 
 
実際は、肉眼で見る限り、満月から多少ずれていても気づきません。ところが、望遠鏡で見るとわかります。満月から少しでも外れると、月の縁にあるクレーターに影が見えます。 
      地球から見て、月に正面から太陽の光が当たっているときを「満月」といいます。ぴったり正面から光が当たっていれば影はできません。縁の方のクレーターに影が見えるときは、正確な満月ではないのです。 
       
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      | この写真の月はほぼ満月ですが、よく見ると右側(西側)のクレーターに影が見えます。これは満月をわずかに過ぎた月です | 
    
    
       
       
      では、今年の9月19日、20時13分に望遠鏡で月を見ると、クレーターの影が全く見えないかというと、そうでもありません。 
      先に「地球から見て、月に正面から太陽の光が当たっているときを満月という」と書きましたが、正確にそういう位置関係になるときには、太陽と月の間に地球があります。ですから、地球の影が月面に映ってしまいます。月食です。 
      今回の中秋の名月の時は、地球の影は月の南側(下側)を通過し、月面には映りません。 
      満月の直前や直後の月は、東西方向の縁にあるクレーターに影ができています(上の写真参照)。しかし、9月19日、20時13分に望遠鏡で月を見ると、東西の縁のクレーターには影がなく、月の南側(下側)にあるクレーターにわずかに影ができているはずです。 
      天体望遠鏡やスポッティングスコープがある人は見てみてください。 
       
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      *注 
      スポッティングスコープや双眼鏡で天体を見た場合は、肉眼で見るのと同じ正立像です。しかし、天体望遠鏡の場合は光学系によって、180度回転した倒立像だったり、上下は正しいが左右が逆の裏像(鏡像)だったりします。 
      天体望遠鏡で見るときは、見えている画面の東西南北を最初に確かめてください。(自動ガイドモーターが止まっているとき、またはそれが無いとき)月が動いていく方向が西で、ウサギが餅をついている臼の近くにあるひときわ目立つ大きなクレーターがある方が南です。 
       
       
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      (追記) 
       
      9月19日の月はこんな感じでした。予想通り、月の南側(下側)の縁にあるクレーターに影ができています。 
       
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