以前、くじら座にあるミラという変光星の話を書きました。ミラは脈動星というタイプの変光星。星自体が大きくなったり小さくなったりして明るさが変わります。
今回は食変光星というタイプの明るさが変わる星のお話です。
食変光星は、必ず2個以上の星が1セットになっている連星です。食変光星になる連星は、星と星の距離が近いため、地球から望遠鏡で見ても1個の星としてしか見えません。
とりあえず2個の連星について考えてみましょう。
重い星の周りを軽い星が回っていると思ってください。
その軌道面がちょうど地球の方を向いていると、明るい星の前を暗い星が横切ることになります。日食のようなことが起こるわけです。
ふだんは2個の星を足した明るさで見えていますが、暗い星が明るい星の前に来ると、暗い星だけが見えて、星全体としての明るさが暗くなります。位置関係が反対になると、明るい星の後ろ側に暗い星が隠れます。この時は、ごくわずかに星全体としての明るさが暗くなります。
一般の人が簡単に見つけられる食変光星は、ペルセウス座にアルゴルという星です。ペルセウス座は、今の時期だと夜9時頃、右下の写真のような形で北東の空に見えます。山奥の空が暗い所で見ると、ペルセウス座は、天の川の中にあるのがわかります。
右の写真に赤っぽく写っているのが天の川です。
アルゴルは北極星ぐらいの明るさの星なので、すぐ見つかります。天体アプリの入ったスマホを片手に探すといいでしょう。
アルゴルは、天体望遠鏡で見てもひとつの星にしか見えませんが、実は3つの星が回り合っている連星です。
そのうちの2つの星がお互いを隠し合うように回っています。アルゴルは、暗い星の方が直径が大きいのです。暗い星が前に来たときは明るい星が完全に隠れます。反対の時は、暗い方の星が少し見えています。
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