変光星「アルゴル」


以前、くじら座にあるミラという変光星の話を書きました。ミラは脈動星というタイプの変光星。星自体が大きくなったり小さくなったりして明るさが変わります。
今回は食変光星というタイプの明るさが変わる星のお話です。

食変光星は、必ず2個以上の星が1セットになっている連星です。食変光星になる連星は、星と星の距離が近いため、地球から望遠鏡で見ても1個の星としてしか見えません。
とりあえず2個の連星について考えてみましょう。
重い星の周りを軽い星が回っていると思ってください。
その軌道面がちょうど地球の方を向いていると、明るい星の前を暗い星が横切ることになります。日食のようなことが起こるわけです。
ふだんは2個の星を足した明るさで見えていますが、暗い星が明るい星の前に来ると、暗い星だけが見えて、星全体としての明るさが暗くなります。位置関係が反対になると、明るい星の後ろ側に暗い星が隠れます。この時は、ごくわずかに星全体としての明るさが暗くなります。

一般の人が簡単に見つけられる食変光星は、ペルセウス座にアルゴルという星です。ペルセウス座は、今の時期だと夜9時頃、右下の写真のような形で北東の空に見えます。山奥の空が暗い所で見ると、ペルセウス座は、天の川の中にあるのがわかります。
右の写真に赤っぽく写っているのが天の川です。

アルゴルは北極星ぐらいの明るさの星なので、すぐ見つかります。天体アプリの入ったスマホを片手に探すといいでしょう。
アルゴルは、天体望遠鏡で見てもひとつの星にしか見えませんが、実は3つの星が回り合っている連星です。
そのうちの2つの星がお互いを隠し合うように回っています。アルゴルは、暗い星の方が直径が大きいのです。暗い星が前に来たときは明るい星が完全に隠れます。反対の時は、暗い方の星が少し見えています。



アルゴルは68時間49分周期で、2.1等から3.4等まで暗くなります。このくらい明るさが変わると、肉眼で見てもわかります。直近のアルゴルが一番暗くなる時刻は以下の通りです。

    2013/10/18 03:26
    2013/10/21 00:15
    2013/10/23 21:04

    2013/11/10 01:57
    2013/11/12 22:46
    2013/11/15 19:35

    (これら以外は昼間なので観測できません)


上記の時刻の2時間前ぐらいから暗くなり始めて、2時間後に元の明るさに戻ります。20分に1度ぐらい見れば、明るさが変わっていくのがわかります。暗くなり始める前に、近くにあるどの星と同じ明るさかを覚えておくといいでしょう。アンドロメダ座γ星が明るいときのアルゴルと同じ明るさです。

4時間見ていれば、暗くなって、また元の明るさに戻るのを見られるわけです。最低2時間でも、どちら側か半分見られます。20分に1回で2時間ならできそうですよね。
明るさが変わる星があることを自分の目で確かめてみてくださいでしょう。。








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