沈む夏の大三角


もう10月も半ばを過ぎ、秋ですね。空気が澄んで、星がきれいに見える時期。寒く感じる夜も多くなってきました。
すっかり秋なのですが、夜空にはまだ夏の大三角があります。西の空に夜11時過ぎまで見えています。星空にはまだ夏の名残があるのです。

夏の大三角のうち、最後に沈むのがはくちょう座のデネブです。はくちょう座は十字形をしているので、南十字に対して、北十字と呼ばれることもあります。七夕の彦星、アルタイルが沈む頃、はくちょう座が頭から地面に向かって落ちていく形になります。この形が地面に十字架が立っているように見えます。
西の地面に立つ十字架を見ると、ウルトラセブンがガッツ星人に負けて、夕方の西の空、十字架に貼り付けにされたシーンを思い出します。

ステラナビゲーター9にて作成


はくちょう座の十字の南側にイルカ座、北側にこと座という小さな星座があります。低い倍率の双眼鏡で見ると、ちょうど視野いっぱいぐらいに見えます。本来はもっと空の高いところにあるときに見た方がいいですが、沈む間際に見ると、イルカ座の方は地面を海に見立てて、海からジャンプした形になっています。こと座も横になっていて、真上に見えた頃とは感じが違います。
地平線近くにある星は暗くなっていて肉眼では見つけにくいので、双眼鏡で西の地平線のすぐ上を探してみましょう。


天の川も見えます。このはくちょう座のしっぽのあたりから上にあがって、カシオペア座、ぎょしゃ座を通り、東から昇ってきたオリオン座の東側までつながっています。はくちょう座からカシオペア座のあたりの天の川は、空の高いところを通るので、澄んだ秋の夜空でよく見えます。








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