冬の天気


栃木県に住んでいるみなさんは、冬は毎日よく晴れて、空気が澄んでいて、一年中で星が一番きれいに見える時期だと思っていますよね。実際、そうなんですけど、日本中がみんな、冬の天気がいいわけではありません。
冬によく晴れるのは、太平洋側の地域だけです。中でも、関東地方が一番よく晴れます。この理由は、学校で地理や理科の授業で勉強しているはずです。北陸や東北の日本海側は、冬、太陽が見えることはまれです。特に山間部では毎日雪で、星が見えることはめったにありません。

ななつがたけ北天文台は、福島県の山間部にあります。特別、豪雪地帯というほどではありませんが、1月から3月上旬ぐらいまで、天文台周りは積雪2mが普通です。天気はほぼ毎日雪か曇りで、めったに星は見えません。星が見えているのに雪が降っていることもあります。この雪はどこから降ってきているのだろうと疑問ですが、かなりの量が降ってきます。そういうときは、星が見えていてもドームを開けることができません。それ以前に、スリット(ドームの開閉する部分)の上に雪が積もっているので、それを落としてからでないと開けられません。このスリットの雪下ろしがたいへんなのです。かなり高いところだし、丸い屋根のてっぺんなので棒が届きません。苦労しながら時間をかけて雪を下ろしています。

日本海側に住んでいる人たちは、冬は天体観測のシーズンオフなのです。関東地方に住んでいる人、特に栃木県をはじめ北関東に住んでいる人は、冬に澄んだ空で星を見られるという点ではたいへん恵まれています。同じ関東でも、東京やその周辺は街の光が明るくて、よく晴れていても星が見えません。
北関東の冬は、冷たい北風が吹いていて夜はとても寒いですが、毎日雪で星が見られない地域に住む人たちにはうらやましがられる場所なのです。せっかくよく晴れているのですから、外に出て星を見てみましょう。


冬のななつがたけ北天文台

夏の天文台







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