カノープス


太陽を除いて全天で一番明るい恒星はおおいぬ座のシリウスです。では、2番目に明るい星はなんでしょう?
答えは、カノープス。りゅうこつ座の一番明るい星です。
カノープスもりゅうこつ座も知らない人が多いと思います。なぜかといえば、日本からはほとんど見えないからです。栃木県から見ると、カノープスは南の地平線ギリギリのところにちらっと見える程度。今夜あたり、どこに見えるかというと下の図の通りです。


ステラナビゲーター9にて作成

9時頃、シリウスの下の方の地平線のすぐ上にあります(黄色の矢印)。
ほんとうにギリギリで、南に山や建物があったらダメです。南の地平線まで見える山の上や高い建物の屋上に行かないと見えません。地平線からどのくらいの高さかというと、一番上にあがったとき(真南に行ったとき)で1.5度ぐらい。満月を3個縦に並べた高さです。それだけ低いと建物の光や街灯と紛らわしい場合があります。でも、星は時間が過ぎると動くので、動いていたらカノープスです。

2番目に明るくてもなかなか見られない星なので、この星を見た人は長生きするという伝説があります。また、低いところにあるため、赤く見えることもあって「南極老人星」よばれることもあります。
今夜、カノープスを見つけて長生きしてみましょう。

日本からだと見つけづらいですけど、南半球に行けばよく見えます。この時期にオーストラリアに行けば、空の高いところに見えます。オーストラリアは夏ですから、夏を代表する星がシリウスとカノープスになります。また、南半球なら3番目に明るい星も一緒に見られます。
3番目に明るい星は、固有名ではなくて「アルファ・ケンタウリ」と呼ばれています。ケンタウルス座の一番明るい星という意味。明るい星なのに、固有名で呼ばれない星というのも珍しいですね。


この写真は、上の図とほとんど同じ範囲を南半球から撮影したものです。カノープスの左側に広がる赤いものは、「ガム星雲」と呼ばれる散光星雲です。日本でも空がきれいなところでは、冬の天の川までは肉眼で見えますが、ガム星雲は見えません。写真に写して初めて見えるようになります。







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