春分の日


今週の金曜日が春分の日です。いよいよ春ですね。
春分の日とはどういう日でしょう?
いろいろな言い方はあると思いますが、一般的には昼と夜の長さが同じになる日ですね。
天体の位置や動きは非常に正確に計算できます。計算した結果、理論的に昼と夜の長さが同じになる日が春分の日です。正確に計算されて春分の日が決まるのですが、でも、実際は2つの理由で昼の方が長くなってしまいます。

ひとつ目は、
日の出と日の入りの定義の問題です。

下の図が日の出を表すとして、A~Cのどれを日の出と言うでしょう。
   A.太陽の一番上が地平線から出た瞬間
   B.太陽の中心が出た瞬間
   C.太陽が全部昇った瞬間。



答えはAです。
では、これが日の入りを表す図だとしたら、日の入りもAです。昼の長さというのは、日の出から日の入りまでの時間です。
日の出の時、太陽の一番上が出ても太陽の中心はまだ地面の下にあります。日の入りの時、太陽の一番上まで全部沈む前に、太陽の中心は沈んでいます。
太陽や月のように面積のある天体の位置は、その天体の中心で表します。太陽の中心が出たときと太陽の中心が沈んだときで計れば、昼と夜の長さが同じになるのです。ところが、日の出日の入りの定義で、そこが違うので太陽の直径1個分ずれてしまいます。太陽1個分動くのにかかる時間だけ ・・約2分・・ 昼が長くなります。

ふたつめの理由があって、昼の長さがさらに長くなります。それは、
大気の屈折による浮き上がりです。
天体から来る光を地球の空気が曲げてしまって、実際と違う位置に見える現象です。これは地平線付近で最も大きくなります。このため、地平線近くの天体は、実際の位置よりも浮き上がって見えます。ということは、実際は太陽がまだ地面の下にあるのに、もう出ているように見えるわけです。どのくらい浮き上がるかというと0.6度ぐらい。太陽の直径が0.5度なので太陽の大きさ1個分ちょっとです。
太陽1個分が約2分ですから、2分ちょっと日の出が早まるわけです。日の入り側でも同じことが起こります。本当は、太陽は沈んでいるのに浮き上がって、まだ地平線上に見えています。
そういうわけで、両側で5分ぐらい昼が長くなります。
ひとつ目の理由とあわせて約7分、昼が長くなります。

春分の日は、本来は昼と夜の長さが同じはずなのに、そういう理由で昼が長くなってしまうのです。








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