火星  その2


先週、火星のお話をしました。今回はその補足のような話です。

火星をある程度大きな天体望遠鏡で覗くと表面の模様が見えます。でも、いつ見ても同じように見えるわけではありません。
何が違うかというと、火星も自転しているので時によって見える場所が違うので、模様が違うという意味もあります。
でも、それ以前の問題で、地上から星を見ると、空気の層を通して見ることになります。空気って、かなり揺れています。水の流れを通して川底を見ているようなものです。火星がゆらゆら揺れて見えたり、全体がぼやけたりします。揺れの大きさは日によって違います。火星がきれいに見える日と見えない日があるわけです。ですから、せっかく天文台などの観測会に行っても、揺れが大きくてよく見えない日に当たっちゃうこともあります。運の悪い人がそうなるかと思うと、実はきれいに見える日の方が少ないのです。また、同じ日でも、空気の揺れの大きさは時間とともに常に変化します。揺れが大きくてよく見えない日でも、瞬間的に止まってきれいに見えるときがあります。その逆もあります。そうは言っても、条件が悪いときでも全く見えないわけではないので、何かしら見えますから火星を見に出かけてみましょう。

天文台に行って覗かせてもらうとき、並んで順番に見せてもらいますよね。自分の番になったとき、一瞬だけ覗いて、「見えた!」と思わないで、しばらくじっと見ていてください。見ている間に、空気の揺れの大きさが変わります。空気が揺れているのを実感してもらって、揺れが収まってきれいに見えたと思ったら目を離してください。

この時期、火星がどのあたりに見えるのか。今夜の20時だと...



火星は東の空にあります。おとめ座の中ですね。けっこう低いところにあります。低いと空気の揺れの影響が大きくなります。真南に行ったときが地平線からの高度が一番高くなり、空気の影響も一番小さくなります。でも今だと、夜中にならないと南に行きません。夜中まで観測会をやってくれるところはないでしょうね。4月後半とか、5月になれば,もう少し早い時間に高いところまで昇るので、その頃でも遅くはありません。
日によって見え方が違いますから、お近くで火星を見せてもらえるところがあったら何度でも見に行ってみてください。








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