へび座・へびつかい座


5月も末になり、季節が春から夏に移り変わろうとしている時期です。星空も同様で、星が少なくて寂しい感じの春の星座から、天の川が見えて華やかな夏の星座に変わる時期です。

この時期に見つけやすい星座は、南の空にあるおとめ座です。おとめ座の中には火星もいます。火星はまだ大きく見えるので、これから見ても遅くありません。
おとめ座の東側には、てんびん座があって、こちらには土星があります。てんびん座は春の星座ともいえるし、夏の星座ともいえる、境目にある星座です。その東側が夏の星座になります。


てんびん座の東側というとへび座とへびつかい座があります。さらにその東側は天の川です。この時期の夜半過ぎにはもう、東の空に夏の天の川が昇ってきています。へび座・へびつかい座あたりから夏の星座といわれる範囲になります。

へびつかい座というのは、あまりなじみがない気がしますが、どういう星座でしょう?
へびつかい座は、ギリシャ神話に出てくるアスクレピオスという医者の星座。これがすばらしい名医で、あらゆる病人を治して、死者までもよみがえらせました。さすがにそれはやり過ぎで、冥界の王ハデスの怒りをかって、大神ゼウスに殺されました。しかし、ゼウスは彼の才能を惜しんで、その姿を星座にしたということです。
お医者さんの星座なのです。でも、ヘビとどういう関係があるのでしょう?

へびつかい座は、アスクレピオスが両腕に大蛇を持っている形の星座。古代ギリシャでは、大きなヘビは健康のシンボルとして神聖な生き物でした。健康のシンボルとどんな病気でも治してしまう医者、最強のコンビです。
へび座は、頭部と尾部のふたつに分かれています。ひとつの星座なのに、ふたつに分かれているのはこれだけです。


へびつかい座のあたりには、球状星団がたくさんあります。数万個から数百万個の星が球形に集まった天体です。双眼鏡や小型の望遠鏡でも、星ではないぼやっとした天体として見えます。でも、星の大集団だということは大きな望遠鏡で見ないとわかりません。

M10                     M12                    M14







戻 る