くじら座とミラ


なかなか晴れない時期ですが、晴れたら明け方の東の空に昇ってくるくじら座のミラという星を見てください。

くじら座というのは秋の星座で、秋の宵に南の空に見えます。でも、そのくじら座が、今の時期は日の出前の東の空に見えています。
この星座のくじらは、ホエールウォッチングで見る大きくてかわいいくじらではなくて、人々に災いをもたらして、アンドロメダ姫に襲いかかった化け物のくじらです。そのとき、アンドロメダ姫を助けたのがペルセウスです。秋の星座の話に出てきます。

くじらの心臓の位置に赤い星があります。名前は「ミラ」。ミラはいつでも見えるわけではありません。変光星で明るさが変わる星です。それも2等星から10等星まで変わります。332日ぐらいの周期で明るさが変化します。
2等星から10等星というのは、すごい差です。2等星なら十分明るい星として見えますが、6等星より暗くなると肉眼では見えなくなります。くじらの心臓の位置にある大切な星なのに、1年のうち約半分は暗くて見えません。そのミラが今、一番明るくなっています。

明け方の東の空ですが、今は日の出が早いので、3時には明るくなり始めます。下の画像が3時の東の空です。


くじら座が昇っています。この鯨は手があります。化け物鯨ですから、普通の鯨ではなくて、手もあるし、いかにも怖そうですよね。
くじら座で一番明るい星は、しっぽの方にあるデネブカイトスという星ですが、現在のミラは、それと同じくらいの明るさになっています。ミラは今が一番明るいので、これから次第に暗くなっていきます。2週間とか、ひと月に1回見ていくと、「この前より暗いな」って感じると思います。くじら座は、これから先、冬の初めまで見えるので、ずっと見ていくと、あるとき、ミラが暗くなって見えなくなります。

ミラが見えなくなると、星座の形が変わります。ミラが明るい今の時期、くじら座が一番くじら座らしく見えます。
くじら座とミラ、時々見てみてください。


ミラが中程度の明るさのときの写真です







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