夏の満月


昨日が満月でした。昨夜の8時から9時頃がちょうど、月がまん丸でした。今夜も晴れれば、ほとんど丸い月が見えます。

夏の満月は空の低いところに見えます。冬の満月は高いところにあって、真上近くを通りますが、夏の満月は南の空の低いところを通ります。太陽と反対ですね。それはどうしてなのでしょう?

下の図をご覧ください。(太陽・地球・月の大きさと距離は実際と大きく違います)
A点が昼間、正午の日本の位置です。そこから12時間過ぎると夜中の0時になり、日本はB点に移動します。この図を見て「なるほど!」と思っていただければいいのですが、「???」という人の方が多いでしょう。日本の教科書には詳しい説明がないので、学校で習った知識だけではわかりません。


別な説明をします。太陽は1年の間に、星座の中を毎日少しずつ東に動いていくように見えます。星座の中の太陽の通り道を「黄道」といいます。同じように月も星座の間を動いていきます。月の通り道を「白道」と言います。夏の満月がいる位置の白道は、さそり座やいて座にあります。



月だけではありませんが、天体というのは、高いところにあった方がきれいに見えるという話をどこかでしたと思います。
地球には空気があって、空気は常に動いています。そのため、天体は常に揺れて見えます。水が流れている川の底を見ているのと同じようなことです。その影響が一番少ないのが真上です。低くなるに従って、厚い空気の層を通して天体を見ることになるので、揺れが大きくなります。ですから、天体はできるだけ空の高い位置に来たときに観察するのが一番いいわけです。
でも、目で眺めるだけなら、低いところにあった方がいい場合もあります。南向きのマンションのテラスからお月見するとき、月が高いところにあると、上の階のテラスの影になって見えませんよね。でも、南の空の低いところにあれば、テラスに出たとき正面に月が見えます。普通の家でも、2階のベランダから月を見るとき、同じことが言えます。

今夜晴れたら、みなさんも満月が南の空の低いところにあることを確かめてみてください。








戻 る