いて座


7月後半は、南の空にあるいて座が見やすい位置に来ます。見る時刻は22時ぐらいがいいでしょう。南の空の低いところにあります。
いて座は下半身が馬で上半身が人間、ギリシャ神話に出てくるケンタウロス族です。ケンタウロスが弓を引いている星座です。矢が向いているのはさそり座。天のサソリが暴れたとき、それをやっつけるために、そちらに矢を向けていると言われています。

ケンタウロス族って、怪物ですよね。星座には怪物がいろいろいます。一説には、ギリシャ人が中央アジア方面の騎馬民族と戦ったとき、ギリシャ人は馬に乗るという習慣がなかったので、馬に乗った人間が怪物に見えたという話があります。

天文学的に、いて座についてのトピックというと ・ ・ ・
いて座は、私たちの太陽や地球が含まれる天の川銀河の中心方向にあって、夜空の中で星が一番たくさんある場所です。そのため、いて座付近は天の川が一番濃く見えます。いて座の天の川の向こう側に銀河の中心があって、そこには巨大なブラックホールがあることがわかっています。



ブラックホールというと、光でも何でもすべて吸い込んでしまう怖いやつですね。天の川が吸い込まれてしまったりしないのでしょうか?
ブラックホールというのは、その中心からある一定の距離の内側に入ると吸い込まれてしまいます。でも、そこに入らなければ大丈夫です。吸い込まれてしまう範囲は、そんなに広くありません。

ブラックホールって言うくらいですから、光でも電波でも見えないわけですよね。見えないのに、どうして存在がわかるのでしょう?
近くにある星がブラックホールに近づき過ぎて、吸い込まれることが実際に起こります。吸い込まれると言っても、一瞬にしてスポンと吸い込まれるわけではなくて、ブラックホールの周りをぐるぐる回りながら、次第に引き寄せられて、最終的に吸い込まれて消えます。星が吸い込まれる前のぐるぐる回っているときに、その星からX線が出ます。X線というとレントゲンのあれですね。宇宙から来るX線を観測することで、ブラックホールがどこにあるかわかります。

みなさんもブラックホールを想像しながら、いて座と天の川を眺めてみてください。








戻 る