秋分の日


9月23日は秋分の日でお休みです。実は、秋分の日というのも天文現象のひとつなのです。
難しくいうと、太陽黄経が180度になる日です。どういう意味かは置いておいて、秋分の日は何月何日というように日付で決まっているわけではなくて、太陽黃径が180度になる日が9月20日から23日ぐらいになります。ですから年によって秋分の日が違います。

また別な言い方をすると、秋分の日は太陽が地球の赤道の真上に来る日です。赤道の上にいる人は、昼頃、太陽が真上に来て影ができません。日時計に影が出来ないわけです。そういうのを一度ぐらいは見てみたいものですが、暑そうですよね。

普通の言い方をすると、秋分の日は昼と夜の長さが同じになる日です。これらは言い方が違うだけで、どれも同じことを言っています。
以前、春分の日の話で、この日は理論的には昼と夜の長さが同じになるはずだけど、実際は、なんかの理由で昼の方が長くなってしまうということを書きました。秋分の日も同じで、ふたつの理由があって昼間の方が長くなってしまいます。

ひとつ目の理由は、言葉の定義の問題。
太陽の中心が地平線から上る時が日の出で、太陽の中心が地平線に沈む時を日の入りとしてくれれば、理論通りに近くなります。でも、太陽の一番上が地平線から出たときが日の出で、太陽の一番上が地平線に沈んだときが日の入りなので、昼の長さが長くなってしまいます。
もう一つの理由は、大気による浮き上がりです。
地球の空気が天体から来る光を曲げてしまって、まだ地平線の下にある太陽が浮き上がらせて、すでに地平線の上に出ているように見える現象です。それで日の出が早くなります。反対側では日の入りが遅くなります。
ふたつの理由を合わせて5分ぐらい昼の長さが長いのです。
秋分の日の後、たぶん3日後ぐらいに本当に昼と夜の長さが同じになる日が来ます。

これからは、次第に夜の長さが長くなっていくということで、星を見る人には都合のいい時期に入っていきます。天体観測シーズンに入る日といってもいいでしょう。秋雨もありますが、晴れて空気が澄んだ日が多いので、星を見るにはいい季節です。



今の時期、星空の見所は秋の天の川です。
天の川は夏が一番濃いのですが、一番濃いところが南の地平線に近くて、地上の光の影響でよく見えません。秋の天の川は、はくちょう座からカシオペア座にかけて、天頂より少し北の高いところに見えます。地上の光の影響を受けにくいので、夏よりもよく見える場合があります。

よく晴れた日は、はくちょう座からカシオペア座あたりに、うっすら天の川が見えるかもしれません。秋の星空にも注目してください。










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