皆既月食


10月8日水曜日に皆既月食があります。皆既月食というのは、月が全部地球の影の中に入る月食です。月の一部しか欠けないのが部分月食です。今回はすごく条件のいい皆既月食です。
条件がいいというのはどういうことかというと、月食の起こる時間が夜中や明け方ではなくて、みなさんが普通に起きている時間帯になります。そして最初から最後まで全部見られます。

月食が見られる時間ですが、

  満月の縁が欠け始まるのが     18時14分ごろ、  太陽が沈んで、月が東の空から昇ってきて間もなくです。
  月が全部地球の影の中に入るのが 19時25分ごろ、
  暗い月の縁が明るくなり始めるのが 20時24分ごろ、  約1時間、月が暗くなっているわけです。
  元の丸い形に戻るのが         21時35分ごろになります。

18時14分から21時35分の間が月食です。


月食というのは、月が地球の影の中に入る現象です。
地球も物体ですから、常に太陽の反対側に影が出来ています。普通は宇宙空間の何もないところに影が伸びているので、地球に影があることはわかりませんが、何かに影が映ったときにわかります。今回、地球の影が月に映るわけです。

月が完全に地球の影に入っても真っ暗にはなりません。かなり暗くはなりますが、うっすら赤く光っています。なぜそうなるのでしょう?
答えは、地球に空気があるからです。

太陽の光が地球の空気によって、屈折したり拡散したりして、地球の影の中にも光が入り込みます。また、太陽の光が地球の空気の層を通過するとき、波長の短い光は吸収されてしまいます。最も波長の長い赤い光だけが空気の層を通り抜けます。このため、皆既中の月がうっすら赤く光るのです。

今回の皆既月食の時、月のすぐそばに天王星があります。月の右にあって(*注)、月と一緒に見られます。天王星は6等星ぐらいなので、月のそばにあるときは肉眼では見えませんが、天体望遠鏡で見ればよく見えるし、双眼鏡でも見えるかもしれません。皆既中、月が暗くなっている間なら双眼鏡でもはっきり見えます。
天王星を見たことがない人は見るチャンスです。それと、見ている間に月と天王星の距離がだんだん離れていきます。月が動いていることもわかります。


  (*注) 天体望遠鏡で見ると、その光学系によって、180度
       回転して見えたり、上下は正しいが左右が逆になって
       見える場合がある。
       正立像の場合に右に見える。



実際に10月8日の月食のときに撮影した写真です。











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