太陽を見る


みなさんは、太陽を望遠鏡で直接見てはいけないことは知っていますよね。天体望遠鏡だけでなく双眼鏡や、レンズ・凹面鏡が付いている機器を太陽に向けてはいけません。それらは光を集めると同時に熱も集めます。直接太陽を覗くと、目が焼けてしまって視力を失います。そうなってしまったら一生治りません。

でも、太陽を見るための天体望遠鏡というものがあります。・・・というか、太陽しか見えない望遠鏡です。それで星や地上の景色を見ても、全く何も見えません。
太陽を覗ける望遠鏡は2種類あります。
ひとつは、太陽の光をうんと弱くして、普通の光で太陽を見られる望遠鏡です。普通の望遠鏡に、ハーシェルプリズムというものを付けて覗きます。これだと太陽黒点がきれいに見えます。


特に黒点がたくさんある日の太陽


もうひとつは、Hα太陽望遠鏡。
太陽にある水素が出すHαという、赤い光だけを通す望遠鏡です。普通の光や熱は一切通しません。これで太陽を見ると赤く見えますが、プロミネンスという太陽の縁から吹き上がる炎のようなものが見えます。太陽表面にも、黒点以外のものがあることがわかります。

(上と同じ日の写真ではありません)


太陽専用の特別な天体望遠鏡があるとき、太陽を直接自分の目で見ることが出来るわけです。天文に詳しくない人は、専門の指導者が付いてくれるところで、どうして太陽を覗いていいのかを説明してもらってから見るようにしてください。
太陽を見るための望遠鏡を一般の人が買うことはできます。ただ、値段が高いし、売っているお店は限られます。日本のメーカーはどこも作っていないので、ドイツやアメリカ製品を輸入して販売しています。一般の人が買うものではないと思いますが、星好きの人が私が持っている太陽望遠鏡を覗くと、「これ、買う!」って言います。それほど、太陽がきれいに見えます。
夜の星と違って、太陽なら晴れていれば自宅でもどこでも見られます。太陽は一番身近な天体です。

太陽を自分の目で見てみたいと思ったみなさんは、どこに行ったら見られるか、ネットで探してみてください。







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