おうし座


夜8時前後に空を見上げると、真上近くにおうし座が見えています。上にはおうし座があって、南東の空にはオリオン座。冬の星座が全部出てきます。今日はそのおうし座にある天体の話をします。

おうし座にある天体というと、まず「すばる」でしょう。すばるというのは日本語ですが、英語圏の人たちは「プレアデス星団」と呼んでいます。すばるは双眼鏡で見るととてもきれいです。たぶん、双眼鏡で見て一番きれいな天体だと思います。天体望遠鏡だと、すばるの星が画面いっぱいに広がってしまって、星団らしくなくなってしまいます。

おうしの顔のあたりに、星がたくさんあります。比較的明るい星がV字型に並んでいます。ここもすばると同じような星団なんです。こちらは「ヒアデス星団」と呼ばれています。すばると比べると星と星の間隔が広いですね。すばるよりも太陽系に近いところにあるのでしょう。同じ大きさの星団でも、距離が違えば、近い方は大きく広がって見えます。



すばる(プレアデス星団)


おうし座にもうひとつ、「かに星雲」というのがあります。メシエカタログの1番目、「M1」です。
これは西暦1054年に出現した超新星の残骸です。その年、突然、金星ぐらいの明るい星が現れました。1ヶ月ぐらい昼間も見えたそうで、藤原定家が書いた明月記に出てきます。それと、陰陽師で有名な安倍晴明とその一族が、この超新星の記録を詳しく残しました。それが現在の天文学に役立っています。安倍晴明って、すごいですね。

1000年過ぎた今も、爆発した星が宇宙空間に星が飛び散っていく様子が見られます。天体望遠鏡で見ると佐渡島みたいな形に見えます。双眼鏡でも明るさ的にはなんとか見えるのですが、小さいので星との区別が難しいかもしれません。爆発して1000年も過ぎてるのに、遥か彼方にあるためまだまだ小さくしか見えないのです。あと何千年かすると地球から見ても大きく広がりますが、だんだん薄くなって見えなくなってしまうことでしょう。



おうし座には、いろんな天体があります。双眼鏡や天体望遠鏡で見てみてください。








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