木星の衛星


今は1年中で一番寒い季節ですが、栃木県の平野部は毎日よく晴れて、星がきれいです。そんな中で、東の空にひときわ明るい星があります。木星です。
木星が今週の土曜日(2015.2.7)に「衝」になります。衝というのは、太陽・地球・木星の順で、ほぼ一直線上に並ぶこと。つまり、地球と木星の距離が一番近くなる日です。木星が大きく見えるということです。ただ、木星は遠くにあるので、大きいときと小さいときとであまり大きな差はありません。
今日(2015.2.1)の夜8時、ちょうど真東でしし座とかに座の間にあります。木星は明るいですから、探さなくても見つかります。

今年は木星が大きく見えるというだけではなくて、6年に一度の珍しい現象が見られます。珍しい現象というのは、木星の衛星で起こっています。衛星、つまり木星の月ですが、現在は60個以上見つかっています。その中で特に明るい衛星が4つあります。木星に衛星があることを最初に見つけたのはガリレオです。ガリレオは手作りの小さな望遠鏡で、4つの衛星を見つけました。その4つの衛星をまとめて「ガリレオ衛星」と呼んでいます。ですから、小さな望遠鏡でもガリレオ衛星は見えるわけです。双眼鏡でもじっとよく見れば、木星のすぐそばに小さな星が何個か見えると思います。



ガリレオ衛星は、木星の赤道の上を回っています。6年に一度なのですが、木星の赤道面が地球の方を向きます。今、ちょうどそうなっています。このとき地球から見ると、4つの衛星は木星を中心にして、一直線上を左右に行ったり来たりするように見えます。このとき、「衛星の相互食」が起こります。
これは、ある衛星が別の衛星の前側を通過したり、後ろ側を通ったりします。後ろ側に回った衛星は見えなくなります。これが衛星の相互食です。もっとおもしろいのは、後ろ側にある衛星が、前側にある衛星の影に入ると、重なっていないのに暗くなったりします。
天体望遠鏡で見ると、そういう様子が見られます。しばらく見ていると、2つの衛星が近寄っていって、重なって1個になって、そのうち、また2つに分かれて離れていきます。木星の衛星も動いてるんだなぁ、と実感できます。
天体望遠鏡をお持ちの方はぜひ見てみてください。












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