目のお話


放送を聴いたりこのHPを見たりして、新たに星に興味を持ってくれた方はいらっしゃるでしょうか。そんな方のために、星を見たいと思ったとき、まず何が必要かを、今回と次回に説明します。天体望遠鏡などの機材の話は、後にして、第一に必要なものは?

健康な目、自分の肉眼です。

困ったことに、目は年とともに衰えていきます。具体的にどうなるかというと・・・
まず、瞳が開かなくなります。若い人が真っ暗なところに行くと、瞳の直径は、7mm程度まで開きます。歳をとってくるとそれが小さくなります。目に入る光の量が減って、暗い星が見えなくなるということです。若い人が6等星まで見えるとき、5等星ぐらいまでしか見えなくなります。

もうひとつ、歳とともに飛蚊が増えます。
飛蚊というのは、白い壁なんかを見たとき、実際にはいない、小さな虫が飛んでいるように見えるやつです。目の内部にできてしまったゴミが、網膜に映って、虫が飛んでいるように見える現象です。これは歳とともに増えていきますが、減ることはありません。飛蚊で一番困るのは、高倍率の天体望遠鏡で、惑星を見たときです。視野の中心にゴミがあると、ゴミの向こう側に惑星が見えます。私の右目がそれで、ゴミが邪魔で惑星が見にくくて仕方ありません。

もうひとつ、歳とともに飛蚊が増えます。
飛蚊というのは、白い壁なんかを見たとき、実際にはいない、小さな虫が飛んでいるように見えるやつです。目の内部にできてしまったゴミが、網膜に映って、虫が飛んでいるように見える現象です。これは歳とともに増えていきますが、減ることはありません。飛蚊で一番困るのは、高倍率の天体望遠鏡で、惑星を見たときです。視野の中心にゴミがあると、ゴミの向こう側に惑星が見えます。私の右目がそれで、ゴミが邪魔で惑星が見にくくて仕方ありません。

他にも個人差はありますが、人はだれでもみんな白内障になります。目のレンズが不透明になってしまって、ひどくなると星どころか、周りの景色がすべて霧の中にあるように見えてしまいます。白内障になっても軽ければ、気づかずに普通に暮らせます。
白内障は手術で治せます。実は私、去年の暮れ、左目だけですが、白内障の手術をしました。生まれつきの目のレンズを取ってしまって、人工のレンズと交換しました。手術で曇ったレンズを取り替えてしまうわけです。手術は、角膜の横から2カ所、2mm程度の小さな切り込みを入れます。そこからすべての作業を行います。水晶体は袋に入っています。まず、袋の前側を丸くくりぬきます。そこから、水晶体を超音波で砕きながら吸い取ります。袋だけになったところに人工のレンズを入れます。レンズは小さく折りたたまれた状態になっていて、中に入ってから広がります。レンズには棒渦巻き銀河の腕のようなものが生えていて、袋の中央に固定されます。手術はこれだけ。白内障の手術は10分ぐらいで終わります。不便を感じる前に、早い時期に手術することをおすすめします。

近視や乱視があると、星が見づらくなるのでしょうか?
乱視があると、月を見たとき月がいくつも重なって見えます。近視や遠視の場合は、星がピンボケになって暗い星が見えなくなります。乱視や近視・遠視は、眼鏡で矯正できます。肉眼で星空を眺めるときは、眼鏡をかけて見ないといけないわけです。近視か遠視だけの場合は、望遠鏡を覗くとき、眼鏡をかけなくて大丈夫です。ピントの位置が違うだけで、眼鏡をかけてもかけなくても見え方は同じです。何人かで交互に覗く場合は、視力が正常な人の後に覗くと、ピントの位置が違いますから、必ず、ピントを合わせ直してください。乱視がある場合は、眼鏡をかけて望遠鏡を覗いてください。

歳をとるときれいな星が見られなくなるのです。若いみなさんは、星なんていつでも見られると思ってはいけません。目が健康な、今のうちによく見ておいてください。








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