星を見るツール


前回は、星を見るときに一番大切な「自分の目」について、お話しました。今回はそれ以外の星を見る道具についてです。

まず、あると便利なのが、この番組でも使っている、星座アプリが入ったスマートフォンやタブレットです。空に向けてかざすと、そこに見える星座や星の名前が表示されます。リアルタイム星空はもちろんですが、違う日時の星空も見られます。
iPhoneなら 「 i ステラ」、Android なら「スマートステラ」がいいでしょう。アメリカ製でもよければ(文字は日本語になっている)「Star Walk」があります。Star Walk は安いですが、星座の線の結び方や星座絵が日本のものとはかなり違うので、日本人には違和感があります。

星座や星の名前を覚えられたら、もっと詳しく天体を見たいと思いますよね。そう思ったときに、最初に何を買ったらいいでしょう?

天体望遠鏡の前に、まずは双眼鏡を買ったらいいと思います。双眼鏡で見ると肉眼より遥かにたくさんの星が見えますし、大きな星雲や星団なら双眼鏡でも見られます。


天体向きの双眼鏡があります。使いやすいのは、レンズの直径が30mmで、倍率6倍がいいでしょう。女性でも子供でも楽に持てます。双眼鏡本体やカタログには「6x30」という表示になっています。そのくらいの双眼鏡の値段はピンキリですが、星がきれいに見える双眼鏡は、最低でも2万円以上します。(写真 右)

ちなみに、高いけどすごくよく見える双眼鏡というのもあります。
まず知っておいて欲しいのは、双眼鏡を手で持って星を見ると、手ブレで星がふらふら動いてしまって見づらいんです。倍率が高いほど、その手ブレが大きくなって、とても見づらくなります。その手ブレを止めてくれる双眼鏡があります。いくつか種類がありますが、星を見たいのなら、キヤノンの「10×42」(写真 右下)。これしかないと思います。実売価格で15万円ぐらいしますが、すばらしくよく見える双眼鏡です。

天体望遠鏡が欲しい場合は、どんなのがいいでしょう?

天体望遠鏡で、まず知っておいてもらいたいのは、星は東から西へ動いていきます。望遠鏡が止まっていると、見ている星が視野から逃げていきます。ですから、星を追いかける必要があります。望遠鏡の筒を手で持って見るのは不可能ですから、何らかの台に載せて、台の方を動かして星を追いかけることになります。天体望遠鏡の場合は、筒の部分よりも架台の方が大切になります。

初めての場合は、どういうものがいいでしょう?
「手動式経緯台」が操作が簡単です。専門知識がなくても使えるし、面倒な初期設定なしで、外に出してすぐ使えます。
値段は、きちんと使えるものは、実売価格で5万円以上と思ってください。もっと安い天体望遠鏡も売っていますが、それはおもちゃと思った方がいいです。ただ、例外もあって、「スコープタウン」というところの「ラプトル」という製品は、2万円以下ですがけっこうよく見えて、使い勝手も悪くありません。

手動式経緯台天体望遠鏡                             ラプトル60







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