春の空


すっかり春になりましたね。もうこの後は、寒波が来たとしてもたかがしれてます。
夜空も春の星座になってきました。春の代表的な星座のしし座やおとめ座が見やすい位置に来ました。
今日あたりだと、春の星座が出そろうのは23時頃になります。そのくらいの時刻に夜空を見上げてみましょう。星が少ないような気がすると思います。

春霞がかかっていて、星が見えにくいから?
その上、黄砂もやってきますね。
そういう理由で、春は空の透明度が悪くて、暗い星が見えにくいということは、確かにあります。でも春は、実際に星の数が少ないのです。季節によって見える星の数が違います。
太陽は、2000億個ぐらいの星の大集団である「天の川銀河」の中にあります。昔は「銀河系」と言っていましたが、今はそう呼びます。太陽は天の川銀河の中でも、端の方にあるのでどの方向を見るかによって、空にある星の数が全然違います。北半球の春は、星の数が一番少ない方向が見えています。

星は少ないのですが、その代わりに宇宙の遥か彼方まで見えます。星が少ないということは、遠くから来る光を遮る、星間物質も少ないということです。宇宙空間には星以外にも、宇宙を漂うチリや、原子や分子が集まった雲のようなものがあります。それらが星間物質で、見え方によって、暗黒星雲とか分子雲と呼ばれています。それらが遠くの宇宙から来る光を遮ります。そういうものがない方向を見ると、宇宙の奥の方が見えるわけです。


おとめ座銀河団
星は小さな点として写っていますが、それ以外の
面積のあるものや細長いものはすべて系外銀河

バックの壁紙も系外銀河の写真です


「おとめ座」の上に「かみのけ座」という星座があります。その北側には「りょうけん座」があります。おとめ座からりょうけん座にかけてが星間物質の少ないところです。そのあたりには、宇宙の遥か彼方にある、天の川銀河と同じような系外銀河と呼ばれる天体がたくさん見えます。見えると言っても、残念ながら肉眼でとか双眼鏡では見えません。遥か彼方にあるので、どれも、とても暗いんです。大きな天体望遠鏡で見ないと見えません。
また、大きな望遠鏡がある施設の観測会などに行けば見られるのですが、がっかりするくらい暗くぼんやりとしか見えません。でも、何千万年もかけて、宇宙の遥か彼方からやって来た光を今、自分の目で見てるんだと思いながら見ると、宇宙の広さを感じられるかもしれません。








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