沈む冬の星座


本格的な春になって、暖かくなりました。この後も多少の寒気が来るかもしれませんが、もう、冬の服装はいりませんね。
この時期、日が沈んで暗くなった後の夜空を見上げると、真上から南にかけての空は春の星座があります。でも、西の地平線を見ると、冬の星座たちが沈んでいきます。冬の星座というと、オリオン座やシリウスがあるおおいぬ座などです。今日の20時ごろ、西の地平線の上に、おおいぬ座、オリオン座、おうし座が並んでいます。それらは、このあと22時頃に3つ一緒に沈んでいきます。



オリオン座が沈んでいくのを見ると、冬が終わったなぁ~、って思いますね。そう思いながら、三つ星が沈むあたりまで見届けてあげるといいと思います。
オリオン座とおうし座の上には、ふたご座とぎょしゃ座があって、それらも1時間遅れぐらいで沈んでいきます。そして、夜中の0時には、冬の星座がみんな、いなくなってしまいます。
冬の夜空には、明るい星がたくさんあって華やかでしたが、夜中には、寂しい感じの春の星座に代わっています。

春の昼間は暖かくなって、いろいろな花が咲いて華やかですが、夜空は明るい星が少ないし、天の川もなくて寂しい感じです。
そうなんです。春の星座には、天の川がないのです。冬に見える天の川は、夏よりは薄いですが、冬の大三角の中を流れていました。春は天の川がない、星間物質の少ない方向を見ているわけです。
天の川のない方向は、星の数は少ないですが、宇宙の遥か彼方まで見えます。おとめ座の上に「かみのけ座」という、明るい星のない小さな星座があります。おとめ座からかみのけ座にかけて、大きな天体望遠鏡で見ると、たくさんの銀河が見えます。そのあたりは、宇宙の奥深くまで見える場所で、「宇宙の覗き窓」と呼ばれています。

冬の星座が沈んでいって、夜空が春の星座に変わっていく様子が見られるのが、この時期です。今夜、星空を眺めてみてください。








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