水星


今日は水星の話です。
水星は太陽系の一番内側を回っている惑星です。太陽の近くを回っているので、太陽の近くにしか見えません。太陽から一番離れたときでも、太陽との離角が28度です。日没や日の出のときに、黄道に沿って、太陽から最大28度離れた位置にあります。でも、太陽が地平線にあるときは空が明るくて、水星は見えません。
太陽が沈んでから50分ぐらい過ぎないと、見えるようにならないと思います。そのときには、地平線からの離角が15度になっています。15度というのは、地平線から直角に15度ではなくて、黄道に沿って15度です。黄道は地平線に対して、かなり斜めです。そして、時期によって、地平線に対して立っているときと寝ているときがあります。寝ているときの15度よりも、立っているときの15度の方が、地平線からの高度が高いわけです。

黄道が立っているときに離角が大きくなれば、水星を見つけやすくなります。3日前の5月7日に太陽と水星の離角が最大になりました。今回の離角は21度で、夕方の空に見えます。今の時期の夕方は、黄道が地平線に対して立っています。最大離角の日は少し過ぎてしまいましたが、今日あたりなら、まだ大きな違いはありません。

今年の初めにも、水星が見つけやすい時期がありました。そのときは、水星のすぐそばに金星がありました。金星は明るいので簡単に見つかります。金星を目印にして、水星を見つけやすかったわけです。その頃に水星を見つけた方もいたでしょうね。その頃の関東地方がよく晴れて、金星と水星が並んでいる姿が見られました。



今回の水星は、日没後の西北西の空に見えます。目印になるとすれば、すぐ近くというほどではないですが、同じ西北西にもうひとつ、明るい星があります。おうし座のアルデバランです。水星とアルデバランは、ほとんど同じ明るさなので、目印というには役不足ですが、西北西の地平線を見たとき、アルデバランが左下、水星が右上にあります。19時30分頃が一番見つけやすいでしょう。



今回は、水星を天体望遠鏡で見てもおもしろいです。
水星の表面の模様は見えませんが、三日月形に見えます。水星は、肉眼で見つけるだけでも難しいのですが、天体望遠鏡で見て形がわかるというのはなかなかないことです。
公共天文台の観測会に行くか、天体望遠鏡を持っているお知り合いがいたら、見せてもらってください。








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