銀河


春の夜空は星の数は少なくて、ちょっと寂しい感じがしますね。春は1年中で星の数が一番少ない方向が見えています。でも、その分、遠くから来る光を遮ってしまう、宇宙空間に漂っているチリなどが少ないのです。そのため、宇宙の奥の方まで見通すことができます。

宇宙の奥の方というと、何が見えるのでしょう?
星は見えません。星があるのかもしれませんが、1個1個の星は遠すぎて暗くて見えません。見えるのは銀河です。
銀河というのは、どんな天体?
私たちの太陽が含まれる星の大集団、「天の川銀河」も銀河のひとつです。天の川銀河は、太陽のような星が約2000億個、渦巻き型に集まっています。これと同じような天体が、宇宙には無数に存在します。
天の川銀河以外の銀河も、みんな同じように渦巻き型なのかというと、そうではありません。見た目の形は様々で、渦巻き型が多いですが、星が球形に集まっているものや細長いものなどいろいろです。春の夜空には、いろいろな形をした銀河がたくさん見えます。おとめ座あたりから、その上にあるかみのけ座、りょうけん座にかけて銀河だらけです。


かみのけ座にある銀河「M100」付近。渦巻き型の天体がM100。それ以外にもいくつかのの銀河が写っている


スマホアプリのiステラなどの天体アプリでそのあたりを見る場合、初期設定では「星雲・星団」を表示しない設定になっている場合が多いです。それを表示する設定に変更してください。そうした上で、おとめ座とかみのけ座の間あたりを拡大して見てください。楕円形のマークが銀河です。すごい数の銀河があります。星の数より銀河の方が多いです。
実際は、どの方向にも同じくらいの銀河があるはずなのですが、他の方向は天の川銀河の内側にあるチリなどが、それらを隠してしまって見えなくなっています。宇宙のチリのないこの方向だけに、たくさんの銀河が見えます。

これらの銀河は、天体望遠鏡で見ると見えるでしょうか?
見えるには見えます。でも、どれも遥か遠くにある天体なので、望遠鏡で見ても暗くて小さくしか見えません。大きな天体望遠鏡がある公共天文台などで見れば見えますが、ぼやっとした、小さなちぎれ雲程度にしか見えません。それを一般の人に見せても受けが悪いので、銀河の観望というのは、公共天文台ではあまりやっていないようです。

写真で見るような渦巻き型には見えないのです。銀河は肉眼で見てもがっかりしてしまうだけなので、ななつがたけ北天文台のHPに銀河の写真があります。銀河は写真で見て楽しんでください。

こちら
http://www.cc9.ne.jp/~narabu2/kiroku/photo/130F.html









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