金星


水星と金星は、地球の内側を回っている惑星です。太陽に近いところを回っているため、見かけ上、太陽からあまり離れません。金星よりも、水星の方が太陽に近いところを回っています。そのため、水星の場合、太陽から最大で28度しか離れません。金星は最大、47度です。

金星は今、西の空に宵の明星として見えています。実は今日(2015.6.7)が、太陽から一番離れる日です。今日が金星の東方最大離角。太陽の東側に一番離れる日ということです。今回の場合、離角は45゚。天体は1時間に15度動きますから、太陽が西の地平線に沈んでから、ちょうど3時間後に金星が沈みます。


2015.6.7 20時の西の空


金星はすごく明るいので、見つけるのは簡単です。太陽と月を除いて、普通に星として見える天体の中で、金星が一番明るい星で、太陽が沈んだ後、最初に見える一番星が金星です。
金星の明るさは、現在、-4.3等。これから地球に近づく方向に動いてくるので、もう少し明るくなり、最大で-4.7等星になります。-4.7等といわれても、明るすぎて他の星と比較しようがありませんね。おとめ座のスピカとか、さそり座のアンタレスが1.0等星です。-4.7等というのは、一等星を約170個集めた明るさになります。大きな天体望遠鏡で金星を見るとまぶしいです。

天体望遠鏡で見ると、金星表面の模様は見えるのでしょうか?
金星は常に厚い雲に覆われているので、全面真っ白で模様は見えません。でも、形が変わるのが見られます。地球の内側を回っている惑星の場合、地球から見ると、月と同じように満ち欠けします。でも月と違って、大きさも一緒に変わります。地球と金星の距離が、近いときと遠いときがあるからです。現在の金星の形は、ほぼ半月型です。これから次第に欠けていって、1ヶ月後には三日月型になります。同時に大きさが大きくなっていきます。天体望遠鏡で週に1回ぐらいずつ見ると、大きさと形が変わっていくのがわかります。


2015.6.7 の金星の形


双眼鏡を持っている人は今週の土曜日(2015.6.13)に、暗くなってから金星を見てください。金星のすぐそばにプレセペ星団があって、明るい金星と暗いたくさんの星がいっしょに見えます。

きっとこんな感じに見えると思います







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